2021 Fiscal Year Annual Research Report
近世大名家道具帳の網羅的収集とデータベース化を通じた古典籍伝来の文化史的研究
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20H01234
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 教授 (70360253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 孝浩 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (20225874)
石川 透 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (30211725)
柳沢 昌紀 中京大学, 文学部, 教授 (60267896)
海野 圭介 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (80346155)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大名道具 / 道具帳 / 能楽 / 和歌 / 物語 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルスの感染拡大のため、2021年度中は当初予定していた調査をほとんど行うことが出来なかったが、感染拡大が一時収束の気配を見せた秋の時期に、集中して上杉博物館・市立米沢図書館・小諸藩牧野家・対馬歴史研究センターなどでの資料調査を実施した。 その後、再び感染が拡大したため調査を一時自粛したが、期間延長後の2022年度に入り、前年度に予定していた箇所での調査を徐々に再開し、石川県立美術館・秋田県立公文書館・新発田市立歴史図書館・弘前市立弘前図書館・岩国徴古館・山口県文書館・もりおか歴史文化館などで調査を行い、各大名家の道具帳・書籍目録の類を多数収集することが出来た。中でも秋田県立公文書館・もりおか歴史文化館蔵の資料はこれまで十分な検討が行われていない資料で、今後の分析によって新たな発見が期待される。その他、弘前市立弘前図書館蔵の道具帳・蔵書目録が特筆すべき資料で、江戸期の保存状況、近代以降の処分の経緯などが具体的に窺われ、能道具・典籍の売却時期、岩木山神社に寄進された弘前藩伝来の能面の詳細などが今回の調査で明らかになった。今後全ての資料をデータ化し、詳細に検討する予定である。 また、近代の売立目録の収集と現存資料との照合作業も並行して進めており、例えば能道具に関しては、新発田藩溝口家の能道具などにつき、いくつかの新たな発見があった。これらの成果の一端は、2022年1月に京都で行われた特別展『能面100』の図録などにおいて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大により、当初予定していた全国の大名家資料の調査が思うように出来なかったため。ただし、期間を延長した後、2022年度に入って予定していた文書館・資料館での調査をいくつか実施することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の遅れを取り戻すべく、2023年度にはこれまで実施できなかった全国の大名家の文書調査に全力を注ぐ。その成果を踏まえ、研究分担者とも情報を共有し、早期のデータベースの構築を目指す。
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Research Products
(4 results)