2022 Fiscal Year Annual Research Report
戦後オーストリアにおける冷戦と文学の関係についての研究
Project/Area Number |
20H01247
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
前田 佳一 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (70734911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 志成 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30822952)
桂 元嗣 武蔵大学, 人文学部, 教授 (40613401)
日名 淳裕 成城大学, 法学部, 准教授 (40757283)
山本 潤 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (50613098)
杉山 有紀子 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 講師 (70795450)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オーストリア文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究に密接に関わる研究論文集『モルブス・アウストリアクス オーストリア文学をめぐる16章』を2023年5月に法政大学出版局より刊行するが、2022年度の活動はこの準備のための調査・ミーティング・研究会・オンラインでのコロキウム開催等に大部分費やされた。 本論集は研究代表者の前田が編者を務め、研究分担者の桂、金、杉山、日名、山本が執筆者として関わっている他、それに加えて国内の3名の関連研究者が執筆者に名を連ねている。 論集においては1945年以降の第二次世界大戦後冷戦期のオーストリア文学(マックス・メル、イルゼ・アイヒンガー、カール・ハインリヒ・ヴァッガール、ヘルベルト・アイゼンライヒ、ハイミート・フォン・ドーデラー、インゲボルク・バッハマン、ゲアハルト・フリッチュ、ミロ・ドール、トーマス・ベルンハルト等)に重点を起きつつ、その前史として第二次世界大戦以前の文学(『ニーベルンゲンの歌』受容史、ヨーゼフ・ナードラー、フーゴー・フォン・ホーフマンスタール、ローベルト・ムージル、シュテファン・ツヴァイク、ヨーゼフ・ヴァインヘーバー等)が扱われており、20世紀のオーストリア文学を包括的に扱いつつ、本研究のサブテーマである五つの主題(①冷戦下におけるオーストリアの「アメリカ化」と戦前からの保守的イデオロギーがいかなる協働関係にあったのか、という点に着目しつつ②政治状況の変化に伴い「オーストリア文学」観はどのように変遷したのか、③オーストリア特有の保守的傾向を備えた前衛文学はどのように発展したのか、④女性作家の地位確立はどのようになされたのか、⑤市民の社会不安は文学作品においてどのように表象されているのか)と絡めて論じられている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス流行が国内で完全には収まらず、かつ欧州情勢が不安定化する中にあり急激な円安が進んでいたため、研究申請時に予定していたような海外での調査を行うことは本年度においてもできなかった。ただし、国内で可能な限り資料を収集し、国内研究者との連携を深め、研究論集の出版の準備を十分に行うことができたという意味では、研究は順調に進展したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年5月に研究論文集『モルブス・アウストリアクス オーストリア文学をめぐる16章』を2023年5月に法政大学出版局より刊行する。その研究成果を踏まえ、本研究のサブテーマである五つの主題(①冷戦下におけるオーストリアの「アメリカ化」と戦前からの保守的イデオロギーがいかなる協働関係にあったのか、という点に着目しつつ②政治状況の変化に伴い「オーストリア文学」観はどのように変遷したのか、③オーストリア特有の保守的傾向を備えた前衛文学はどのように発展したのか、④女性作家の地位確立はどのようになされたのか、⑤市民の社会不安は文学作品においてどのように表象されているのか)についての研究を引き続き進めてゆく。
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Research Products
(7 results)