2023 Fiscal Year Annual Research Report
戦後オーストリアにおける冷戦と文学の関係についての研究
Project/Area Number |
20H01247
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
前田 佳一 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (70734911)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 志成 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30822952)
桂 元嗣 武蔵大学, 人文学部, 教授 (40613401)
日名 淳裕 成城大学, 法学部, 准教授 (40757283)
山本 潤 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (50613098)
杉山 有紀子 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 講師 (70795450)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | オーストリア文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの年度と同様、主に1945年から1960年代までのオーストリア文学を対象とし、東西冷戦という世界規模の闘争がローカルな文学・文化にどのように影響を及ぼしたのかというテーマに取り組んだ。その際にはこれもこれまでの年度と同様次のサブテーマに基づき研究を進めた。すなわち、1.政治状況の変化に伴い「オーストリア文学」観はどのように変遷したのか、2.オーストリア特有の保守的傾向を備えた前衛文学はどのように発展したのか、3.女性作家の地位確立はどのようにな されたのか、4.市民の社会不安は文学作品においてどのように表象されているのか、である。 また、これまでの研究の集大成として、2023年5月に研究論文集『モルブス・アウストリアクス オーストリア文学をめぐる16章』を2023年5月に法政大学出版局より刊行した。ここでは1945年以降の第二次世界大戦後冷戦期のオーストリア文学(マックス・メル、イルゼ・アイヒンガー、カール・ハインリヒ・ヴァッガール、ヘルベルト・アイゼンライヒ、ハイミート・フォン・ドーデラー、インゲボルク・バッハマン、ゲアハルト・フリッチュ、ミロ・ドール、トーマス・ベルンハルト等)に重点を起きつつ、その前史として第二次世界大戦以前の文学(『ニーベルンゲンの歌』受容史、ヨーゼフ・ナードラー、フーゴー・フォン・ホーフマンスタール、ローベルト・ムージル、シュテファン・ツヴァイク、ヨーゼフ・ヴァインヘーバー等)が扱われた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論集の刊行の他、個々のメンバーの調査・研究もつつがなく進行させることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は特に、冷戦下におけるオーストリア・アイデンティティと文学との関わりについての研究を進める予定である。12月にはウィーン大学所属の研究者を東京に招聘しての国際コロキウムを予定している。
|
Research Products
(8 results)