2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Basic study on Baiwen texts- Comparison and analysis on vocabulary notation -
Project/Area Number |
20H01251
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
立石 謙次 東海大学, 文化社会学部, 准教授 (50553426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 章人 新潟大学, 教育基盤機構, 准教授 (80794495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中国雲南省 / 白族 / 白文 / 大本曲 / 漢字系文字 |
Outline of Annual Research Achievements |
・2023年度中、研究代表者及び分担者は以下の成果を論文などの形で発表することができた。①立石謙次2023年「チベット・ビルマ語派と漢字音・漢語音」日本漢字学会編『漢字文化事典』丸善出版社、512-513頁。②吉田章人・立石謙次「大理白族における大本曲『斬竜頭』研究序説(2)」『環日本海研究年報』第29号、59-80頁。2)また研究代表者は以下の口頭発表を行なった。1)立石謙次「中国雲南省白族(ペー族)の言語と文化」(2024年7月15日、地球ことば村・世界言語博物館「ことば村サロン」、オンライン発表)、2)立石謙次「中国白(ぺー)族の文字と文献」(2024年3月16日、AA研共同利用・共同研究課題「アジア文字研究基盤の構築(3)」、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、オンライン発表)。 ・2023年度の活動として以下の台湾での調査(8/15-8/31)を行った。目的として、①台湾の中央研究院での大本曲曲本(台本)に関連する中国系説唱文学の曲本に対する資料調査、②雲南人移民地域での民間芸能の伝承状況の確認であった。課題申請当初目的としていた中国雲南省での現地調査は行わなかった。それは①これまでの調査で入手した資料を分析対象としたこと、②テレビ会議システムの利用によって雲南の研究協力者との連携が取れていたこと、③調査対象国の国内法を尊重したためである。国内においては共著論文と、最終年度の目標である方言表作成のための国内会議を10回行った(2023/4/5、4/11、7/7、9/21、10/31、12/26、2024/1/10、2/22、3/6、3/16)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに22年度末、目標の第一段階としていた資料分析の出版が予定通り行われた。最終年度(2024年度)の目標として白文の方言表の出版発表を予定しているが、出版に向けての作業をすでに整えており、今年度の4月中にその方針が決定されている。残念ながら2022年度、2023年度に予定していた中国での現地調査は上記の理由により断念せざるを得なかった。しかし現地雲南での研究協力者との連携はテレビ会議システムや電子メールなどを利用しながら、継続しており出版に向けての作業は滞りなく行われている。その他、当初予定していなかった資料分析の成果を学術雑誌で発表しており、比較的順調に研究が遂行されていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2024年度は、当初の予定通り、複数地域の白文の表記を比較するための方言表を作成し出版公表を目指す。上述のように今年度4月中に編集方針を決定しており出版に向けた作業が進んでいる。2024年10月までに草稿を完成させ、印刷所と出版に向けた相談を行うことを予定している。そして今年度末に方言表の出版を目指す。また2023年度の台湾調査により、台湾の中央研究院には大本曲曲本の演目に関連する中国系説唱文学の曲本が多数所蔵されていることが明らかになった。一部はいまだ出版されておらず直接現地で確認する必要があることがわかった。このため2024年度も台湾での調査を行っていく。これまでの大本曲曲本の分析の過程で、他地域の中国系説唱文学曲本との比較することが、大本曲曲本の分析精度を上げる効果があることが分かってきた。一方、雲南省での調査は、調査対象国の国内法を尊重しなければならないため現段階では断念することにした。ただし現地の研究協力者とテレビ会議システムや電子メールなどを利用しながら連携をとり研究を進めていくために、予定している方言表の作成出版には大きな影響はないと考える。
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