2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01259
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新田 哲夫 金沢大学, その他部局等, 名誉教授 (90172725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松森 晶子 日本女子大学, 文学部, 教授 (20239130)
青井 隼人 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (00807240)
小嶋 賀代子 (下地賀代子) 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (40586517)
吉田 健二 日本女子大学, 文学部, 研究員 (10279820)
CELIK KENAN 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 特任助教 (70825596) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 宮古諸方言アクセント / 三型アクセント |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年初頭から始まった新型コロナウイルスパンデミックは、2022年度、三年目に入った。感染状況はやや落ち着きをみせ、現地に赴くフィールドワークは限定的ながら可能になったが、研究期間全体からみたデータ収集の状況を鑑みると、当初二年間の遅延の影響を十分に取り戻すまでには至っていない。こうした研究状況にありながらも、この年度、以下の実績があった。分担者のセリック・ケナンは宮古語の姉妹言語である八重山語のいくつかの方言について、韻律体系に関する調査結果をもとに研究を行った。特に二型以上のアクセント体系を持つ大浜方言のアクセントについて、先行研究の資料と対照させながら自らの資料を公表した。さらに、分担者の青井隼人と共同研究で、三型アクセント体系を持つ波照間方言について、3000語以上のアクセント型の所属を現地調査を主としないハイブリッド遠隔型調査法によってデータを収集し公表した。分担者の松森晶子はすでに収集したデータをもとに、琉球諸方言の通時的研究に継続して従事し、韻律領域や宮古諸方言アクセントの多様性に関する成果を、3件の研究発表で公にした。代表者の新田哲夫はすでに三型アクセントが確定している多良間方言アクセントに関して、弁別的な上昇・下降の両方を説明する「アクセント低核」の見解をまとめ、論文で発表した。その論文の中で、動的音韻解釈の観点から有核・無核の韻律語体系を示し、宮古諸方言アクセントに通底する単純なアクセント体系について論じた。また、新田と松森は宮古島の旧下地町与那覇、上地他のアクセント調査を実施しデータの収集に努め、三型アクセント体系を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の余波が影響し、研究協力者との人的ネットワークが希薄になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症による影響が以前と比較して減少したので、フィールドワークを積極的に推進していく。
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