2022 Fiscal Year Annual Research Report
探究型歴史学習の高大接続モデル開発:新学習指導要領世代をグローカル市民に
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20H01300
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
丸橋 充拓 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (10325029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿住 大助 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 准教授 (10609803)
割田 聖史 青山学院大学, 文学部, 教授 (20438568)
中村 怜詞 島根大学, 学術研究院機能強化推進学系, 准教授 (20825830)
日高 智彦 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60803921)
大日方 克己 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80221860)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 探究型歴史学習 / 高大接続 / ルーブリック / グローカル市民 / 歴史教育 / 大学教養教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本取組の実践の場としている島根大学教養育成科目「大学で学ぶ世界史」を既設授業「講義編」と新設授業「探究編」の2科目に分け、担当教員による講述と受講生によるワークを組み合わせる前者と、受講生による課題探究を軸とする後者との間で、獲得される資質・能力(コンピテンシー)にどのような違いがあるかについての調査を行った。また高校において、新学習指導要領への移行、「歴史総合」の新設があり、探究学習が大幅に採り入れられるようになったことを承け、同様の調査を連携校(松江東高校)においても実施した。 コンピテンシーは探究活動の作業過程に即して、基礎的なものから応用的なものへ10段階に区切って設定した。前期授業における調査では、探究型歴史学習による受講生の成長を測る評価項目として、この設定の有効性が十分確認できなかったため、後期授業においてさらなるデータ収集を実施し、傾向の把握に努めた。 共同研究の成果の一端は、高大連携歴史教育研究会の第8回大会第5部会パネルにおいて、丸橋充拓(島根大学)と日高智彦(東京学芸大学)がそれぞれ報告した。 探究型歴史学習に関する情報交換を高大協働で行う場として、公開ワークショップを8/16と11/29の2回開催した。前者は「歴史総合へのキックオフ③:歴史総合の抱える課題に向き合う」と題し、高校「歴史総合」科目が開設されて最初の1学期間で現れた課題について情報共有を行った。後者は「探究型歴史学習の探究」と題し、野々山新氏(愛知県立大府高校)による講演とそれを踏まえた意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コンピテンシーの検証は前後期授業におけるアンケート調査を通じて実施し、一定の傾向性は検出できたが、受講生による自己評価で測定しているため、客観的な伸びを測るにはルーブリックを用いた客観的評価を加味することが必要となる。今年度はそのことを確認し、それを踏まえたルーブリック素案の作成は行ったものの、実際の授業への適用は次年度に持ち越しとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に作成したルーブリック素案を、島根大学教養育成科目「大学で学ぶ世界史・探究編」で試行し、指標としての妥当性を検証する。 歴史学習の経験と獲得される資質・能力(コンピテンシー)の関係に関する調査を、島根大学および連携校(松江東高校)において継続実施する。 本取組の中間取りまとめとしてシンポジウムを開催し、これまでの成果を公表する。
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