2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Web Mapping System of Small Area Population Projections for the Asia-Pacific Region
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20H01396
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
井上 孝 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10211749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 希 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障基礎理論研究部, 研究員 (30827754)
小池 司朗 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 部長 (80415827)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 将来人口推計 / 小地域 / アジア太平洋地域 / ウェブマッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2年次分の人口・境界データを小地域単位(Block Groupレベル)で入手できた米国に関して、小地域別の将来人口推計を実施しウェブマップシステムの構築を行った。このシステムの利用者は、研究代表者がこれまで構築してきたものと同様に、種々の人口指標に関するコロプレスマップを自由に閲覧でき、また、得られた推計結果を小地域単位でダウンロードできる。そのURLはhttps://onl.la/HfU9yPZである。ただし、入手できた小地域単位の人口データは米国コミュニティ調査による抽出データであったため、その精度は必ずしも高くない。そのため、いくつかの新たな補正方法を導入して推計を行った。2021年度は、その補正方法の検討に相当の時間を費やしたので、事実上米国の推計とシステム構築にエフォートを集中せざるを得なかった。 上記以外の主な研究実績としては、米国コミュニティ調査を含む、米国および世界の人口統計に関する最大級のデータベースIPUMSについて、『ESTRELA』にて隔月で解説・紹介記事を執筆した。また、日本の小地域別将来人口推計システムのデータを応用した3つの研究成果を内外の学会で発表した。それらは、ロジット分析、クラスター分析、および、GISによる空間分析による研究であるが、これらの発表では、小地域別将来人口推計の応用範囲の広さとその意義を示すことができた。また、特にクラスター分析については、本科研の課題の1つである、小地域別人口データによる高齢化の国家間比較を行う際に、最適な分析フレームになりえると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、日本、台湾、米国についてウェブマッピングシステムの構築と公開を行った。このうち、米国のシステムについては、推計の基準となるデータが抽出データであるため精度の点で課題が残った。 また、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの3か国については、2年次分の小地域別人口・境界データを入手できたが、人口データについてはいずれもランダムな加工処理がなされており、そのままでは利用できないことが判明した。このうちオーストラリアについては、強力な加工処理がなされているため加工前のデータを入手する必要があるとの結論に達した。一方、ニュージーランドとカナダについては、比較的弱い加工処理であるため、その処理の影響を低減させる方策を検討することとした。 さらに、マレーシアに代わって対象国としたインドネシア、および、韓国の2か国については、オンラインでデータを入手することが困難であることが判明した。そのため、現地にて2年次分の小地域別人口・境界データを入手する予定であったが、コロナ禍で海外渡航が不可能であったため、2021年度はその予定を断念せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、米国についてはより信頼性の高いBlock Groupレベルの人口データを入手するため、米国センサス局にコンタクトを取りたいと考える。もし、そうしたデータが得られた場合は、急遽、米国のウェブマッピングシステムの更新を検討する。 つづいて、オーストラリアについては、2022年度中に同国の人口統計学者に協力を要請し、加工前のデータの入手を試みる。もし、そうしたデータが得られたならば2022年度中にオーストラリアのウェブマッピングシステムの構築を試みる。一方、ニュージーランドとカナダについては、ランダムな加工処理の影響を低減させる、計算上の方策を検討する。 なお、インドネシアと韓国については、2022年度において海外渡航が可能になれば、現地に赴いて2年次分の小地域別人口・境界データを有償にて入手する予定である。
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Remarks |
SAPP for the USは、The Web Mapping System of Small Area Population Projections for the USの略称である。
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