2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of homo ludens theory through fieldwork and field experiments
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20H01409
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
島田 将喜 帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (10447922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 高典 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30528724)
高田 明 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70378826)
高橋 康介 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (80606682)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遊び / ホモルーデンス / フィールド実験 / フィールドワーク / 霊長類 / 人類学 / 進化 / 文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者、分担者とも、海外でのフィールドワーク、フィールド実験はまったく実施することができなかった。しかし島田(研究代表者)は国内での野生ニホンザルを対象としたフィールドワークを行い、遊び行動に関する新たなデータを蓄積した。またオンラインでの会議を通じて分担者・協力者との情報共有を行い、現在までに可能な過去のデータの分析を行い、学術論文執筆に取り組んだ。たとえば島田と高田は共編者として、フランス語の雑誌を編集し、そこに遊びがヒトおよび野生チンパンジーの発達に及ぼす影響に関する長期データの分析結果を成果を公表した。また島田・高橋・大石はフィールド実験の成果を多くの学会で報告した。 高田(研究分担者)はとくに遊び性playfulnessに関する理論的な研究を進め、成果を多くの一般書や招待講演、学術論文として公表した。 高橋(研究分担者)はタンザニア・カメルーン・ケニアで実施してきた過去の認知心理学に関するフィールド実験のデータや、描画実験のデータを分析し、複数の学会で成果を公表した。 大石(研究分担者)は海外調査地カメルーンでの過去のフィールドワークで得られたデータをまとめ、一部については論文や一般書として成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 本研究の成否は、国内外での長短期のフィールドワークおよびフィールド実験を実施することによってのみ得られるデータに大きく依存している。2020年度以来、2年連続で海外でのフィールドワーク・フィールド実験が不可能になったことは、やはり本研究の遅れにつながっていると判断せざるを得ない。日本や相手国の出入国規制が緩和され、かつ各所属機関による許可が取れ次第、海外での調査を行うべく、今年度終了間際まで準備を進めたが、残念ながら結果として海外渡航は実現できなかった。 一方で、本科研にかかわる過去に収集されたデータの分析や、オンラインでのコミュニケーションを多くとり、コラボレーションを進めた結果として、多くの成果物を公表することができた。成果の公表という部分では、想定していたよりも大きな進捗が見られたと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールドワークおよびフィールド実験に関しては、代表者・分担者ともに、夏休みまたは冬休み期間中に海外渡航調査を実施べく、渡航準備を進める。調査許可の取得や、カウンターパートとなる国の研究者とのコミュニケーションを進める。一方、国内での野生ニホンザルの調査およびその他の動物種についての調査も可能な限り進める。 フィールド実験で用いるタブレットに搭載したプログラム、使用機材等については高橋を中心に、すでに準備が整っており、対象群としての日本国内での実験については一部データ収集を開始しており、今後、海外との比較を実施する。 今後、「フィールド実験」という異分野間コラボレーションそのものに関して明らかになってきた知見も、一般向けの書籍という形で公表してゆく予定である。
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