2020 Fiscal Year Annual Research Report
大規模データにおける創作法の法理の変容―競争法・情報法の視点から
Project/Area Number |
20H01442
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
潮海 久雄 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (80304567)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 潤子 香川大学, 法学部, 教授 (90294743)
齊藤 邦史 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (90803106)
成原 慧 九州大学, 法学研究院, 准教授 (40647715)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 標準必須特許 / 独占禁止法 / 営業秘密 / プラットフォーム / 責任主体 / 人格権 / 個人情報保護法 / 著作権法 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでアナログの情報を想定していた創作法・競争法・情報法の法理が、大規模データの流通・利用・集積によりどのように変容するか、および、競争法・情報法と知的財産法の相互作用について焦点をあて、以下の4分野で成果をあげた。 第1に、IoTでサプライチェーンが通信でつながる状況で、ポートフォリオ特許による標準必須特許の権利行使が、競争法上の排除行為だけでなく搾取行為が大きな問題となることを指摘した。また、オンラインにおいてソフトウェア特許の共同直接侵害の問題となることに鑑み分析した。第2に、営業秘密の侵害に対する保護について、その法律構成が、不法行為から財産権に変容しつつあることを分析・検証し、それに伴う救済の柔軟化の必要性を主張した。第3に、プラットフォームの責任主体の問題を、著作権法(オンライン上の媒介者のnotice and staydownの問題)、経済法(データ経済における優越地位の濫用規制に関する比較法研究、Amazon事件)、情報法による規制の諸点から分析した。これらは、プラットフォーム規制とその対立する利益の諸点から検討したものである。第4に、人格権の財産権の一体化の視点から以下のテーマについて成果を公表した。すなわち、人格権と著作者人格権との相違、プライバシーと不法行為、肖像権、個人情報保護法と経済法の関係、個人情報保護法制の官民一元化の問題、ブロックチェーンにおけるコードによる支配である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模データにおいて創作法・経済法・情報法・個人情報保護法の法理がどのように変容しているかについて、多くの重要な成果をあげることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
経済法からと情報法からの観点から、他の創作法の法理、およびその変容を分析することを計画している。また、コロナ下でできなかった、欧米との海外交流による比較法の観点から研究することも計画している。
|
Research Products
(18 results)