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2020 Fiscal Year Annual Research Report

伝統産業における熟練とイノベーションの実証研究

Research Project

Project/Area Number 20H01542
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionMusashino University

Principal Investigator

星野 雄介  武蔵野大学, 経営学部, 准教授 (90635682)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 堀 圭介  富士大学, 経済・経営システム研究科, 准教授 (80438514)
清水 洋  早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90530080)
原 泰史  一橋大学, 大学院経済学研究科, 特任講師 (70774644)
金 東勲  一橋大学, 大学院経営管理研究科, 特任講師(ジュニアフェロー) (10823403)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywordsイノベーション / 日本酒 / 徒弟制 / 雇用形態 / 製品品質
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は当初の計画通り、南部杜氏協会の名簿の入力作業を行った。データベース作成は、研究組織のメンバーが行うには膨大すぎるため、相見積もりの上、業者に委託した。委託の結果、当初の予定より早く、2021年2月には全期間のデータ入力を完了させることができた。
また、本研究の関連分野で投稿を進めていた論文がいくつか掲載された。特に強調すべきは、査読付き英文学会誌に掲載された” Apprenticeship and product quality: empirical analysis on the sake brewing industry” であった。この論文は、現行の研究プロジェクトの前段にあたるものである。日本酒産業では従来、農閑期に杜氏(酒造現場の責任者)を酒蔵が雇うことで日本酒を生産している。その杜氏を季節雇用のままとするか、正社員として雇用するかによって、鑑評会で受賞するか、すなわち高い品質の製品を生み出せるかどうかを検討した。分析の結果について、統計的な有意差が出ることが明らかにされた。
さらに、関連分野であるイノベーションに関する論文を2本発表した。うち1本は、カンファレンスペーパーではあるが、査読ありの英文論文であった。最後の1本は大学研究紀要である。2020年度のすべての論文業績は、オープンアクセスとなっている。
ただし、順調ではなかった点もある。それは、COVID-19によって、各種学会が開催されなかったり、オンライン開催となってしまったことである。特に、申請者らが重視しているイノベーション分野の著名学会であるInternational Schumpeter Societyが延期となったのは、仕方ないとはいえ、研究の進捗に若干の影響を与えた。
以上のように、COVID-19の影響はありつつも、2020年度は予定通りに進捗したといえる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究プロジェクトのテーマは、イノベーションと熟練の関係である。熟練は本当に製品の品質を向上させるのだろうか。科学的な知見や体系的な技術が蓄積されると、熟練の形成の仕方はどのように変化するのだろうか。どのような企業が人的資源への投資を行うのだろうか。優れたパフォーマンスを上げる人材はどのように形成されるのだろうか。このような問いを日本酒製造業におけるデータを用いて実証的に分析していく。具体的には、①日本酒の鑑評会の結果に関するデータ、②杜氏協会の会員名簿、そして③帝国データバンクのデータを組み合わせ、実証的な分析を行う。
2020年度の当初の予定は、分析の中核となる杜氏協会名簿をデータベース化することであった。そして業者へ委託の結果、当初の予定より早く、2021年2月には全期間のデータ入力を完了させることができた。しかし、データベースを精査すると、酒蔵名・協会員名・誕生日などに、膨大な名寄せ作業が必要であることが明らかとなった。その原因は、業者の入力ミスではなく、もともとの名簿が戸籍情報などの公的な資料をもとに作成されたものではないためである。
また、本研究の前段となる論文を、査読付き英文学会誌という形で発表もできた。それによって、今後の研究を進めやすくなったと思われる。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方針に、大きな変更はない。2021年度の前半は上記で説明した名寄せ作業を行うことになる。申請者らが作業を見積もったところ、筆者らが行う場合、400時間程度の作業量が必要であることが判明した。この作業を、研究代表者と1名の研究分担者が担当する。これが2021年度前半の予定であり、7月までに完了する見通しである。
2021年度後半は2種類の動きとなる予定である。第1が、上記の名寄せの結果が客観的かどうかについての検証である。データベースの客観性を確保するためには、名寄せ方法をパターン化するプログラムを作成するか、客観的な外部者によって同じ作業を行い、コーダー間の一致度(Inter Coder Reliability)を計測する必要がある。第2が、客観性確保のための施策の前に、予備的研究を行うことである。早急に分析を行い、例年初冬に開催されるAsia Pacific Innovation Conference(江蘇大学)での研究報告を計画している。
2022年度以降は、作成したデータベースを多面的に分析することで、第1に杜氏チームの継続性と受賞確率の分析、第2に名杜氏のキャリアパスの分析、第3に地域の競争優位、第4に地域と酒蔵の関係性の分析を行い、随時国際学会での報告や、論文発表していく予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Apprenticeship and product quality: empirical analysis on the sake brewing industry.2020

    • Author(s)
      Hori, K., Hoshino, Y., & Shimizu, H.
    • Journal Title

      Management & Organizational History

      Volume: 15(1) Pages: 40-64

    • DOI

      10.1080/17449359.2020.1808482

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Transition of Innovation Context: Text Mining of Newspaper Editorials in Japan2020

    • Author(s)
      Hirao, T., & Hoshino, Y.
    • Journal Title

      ECIE 2020 16th European Conference on Innovation and Entrepreneurship

      Volume: 16 Pages: 304-311

    • DOI

      10.34190/EIE.20.045

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] "バブル経済崩壊後のイノベーションに関する新聞報道 ~新聞社説のテキストマイニングを通じて~"2020

    • Author(s)
      星野雄介・平尾毅
    • Journal Title

      武蔵野大学 経営研究所紀要

      Volume: 2 Pages: 71-94

    • Open Access
  • [Book] Python による経済・経営分析のためのデータサイエンス2021

    • Author(s)
      原泰史
    • Total Pages
      309
    • Publisher
      東京図書
    • ISBN
      978-4-489-02350-7

URL: 

Published: 2021-12-27  

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