2022 Fiscal Year Annual Research Report
自然保育認定・認証制度の影響と効果に関する実証的研究
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20H01655
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
山口 美和 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80465856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 住幸 札幌大谷大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (20814982)
酒井 真由子 上田女子短期大学, その他部局等, 教授 (30591193)
鈴木 康弘 八戸学院大学短期大学部, 幼児保育学科, 講師 (40848701)
杉山 浩之 広島文教大学, 教育学部, 教授 (60187680)
北澤 明子 秋草学園短期大学, その他部局等, 准教授 (60736065)
木戸 啓絵 東海大学, 児童教育学部, 講師 (90746439)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自然保育 / 幼児教育・保育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自治体が創設した「自然保育」に関する認定・認証制度が、園、保育者、子ども、保護者、地域等に与えた影響と効果を明らかにすることである。 2022年度は、このうち、2021年度に実施した保育者を対象とする質問紙調査についての分析を進めた。主として、統計的手法に基づく量的分析と、自由記述部分を対象とするKH-Corderを用いたテキスト分析の2種の分析を進め、その結果に基づき、2022年12月に開催された日本自然保育学会第7回大会において2件の口頭発表を行った。 また、諸外国における自然保育に関する同様の制度について調査するため、デンマークの森の幼稚園4園の視察調査を行い、保育者へのインタビューを行うとともに、コペンハーゲン大学に併設されている「子どもと自然センター」の研究者へのインタビューを行った。 子どもへの影響と効果に関する調査の一環としては、広島県の自然保育認証園4園を訪問・視察し、自然保育の実態に関する観察調査を行うとともに、保育者へのインタビューを実施した。 さらに、自治体への影響に関する調査の一環として、「奈良っ子はぐくみ自然保育認証制度」を2022年10月に新たに創設した奈良県を対象として聞き取り調査を行った。奈良県子ども女性局及び奈良っ子はぐくみ課の担当職員を対象として、自然保育認証制度を設置することになった経緯と、認証制度の内容を中心にインタビューを行い、必要な資料の収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の2021年度は、新型コロナウイルス感染拡大のため、海外及び国内の視察調査がほとんど実施できず、実施内容の変更を余儀なくされるなど、調査の進捗が遅れていたが、2022年度はワクチン接種証明書等の提示による国内外の移動が可能となり、2021年度中に行えなかった視察調査を進めることができたため。 2022年度に計画していた調査である、子どもへの影響に関する観察調査、自治体への影響に関する聞き取り調査、諸外国の制度に関する調査の3つを順調に進めることができ、貴重なデータを収集することができた。また、前年度に収集した保育者の意識に関する調査の分析を進め、2件の学会発表に結び付けることができた点でも、概ね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、森の幼稚園の先進国であり、自然保育が盛んなドイツへの視察調査を予定しており、昨年度中から視察先の選定・交渉を始めるなど、着実な調査実行のための準備を行っていたところである。9月頃に森の幼稚園2-3園と、公立幼稚園の視察調査を行い、現地の保育者へのインタビューを行う計画である。 また、今年度は自然保育認定・認証園に通う子どもの保護者を対象とする準パネル調査の継続調査を実施する計画である。これは、2021年に実施した質問紙調査(3歳児保護者)の対象となった園に、再度同様の内容の質問紙調査を送付して実施するもので、2021年度に3歳(年少児)だった子どもが、5歳(年長児)になった今年度の時点で、自然に対する親和性や認知がどのように変化したのかを把握しようとする調査である。基本的に、前回の質問紙の項目を踏襲しつつ、5歳児の成長を把握できるよう質問項目を再検討し、1月頃までの発送を行う予定である。 このほか、あらたに自然保育認証制度の設置を検討している千葉県などへの視察調査も予定している。 また、調査によって収集したデータが蓄積しているため、丁寧な分析を行うべく、月1回のペースで研究会を実施し、着実な成果発表に結び付けたい。
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Research Products
(15 results)