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2023 Fiscal Year Annual Research Report

自然保育認定・認証制度の影響と効果に関する実証的研究

Research Project

Project/Area Number 20H01655
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionJoetsu University of Education

Principal Investigator

山口 美和  上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80465856)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 住幸  札幌大谷大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (20814982)
酒井 真由子  上田女子短期大学, その他部局等, 教授 (30591193)
杉山 浩之  広島文教大学, 教育学部, 教授 (60187680)
北澤 明子  秋草学園短期大学, その他部局等, 准教授 (60736065)
木戸 啓絵  東海大学, 児童教育学部, 講師 (90746439)
庄子 佳吾  桜の聖母短期大学, その他部局等, 講師(移行) (30848776)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords自然保育 / 認定・認証制度 / 幼児教育・保育 / 保育の質
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、自治体が創設した「自然保育」に関する認定・認証制度が、園、保育者、子ども、保護者、地域等に与える影響や効果を実証的に明らかにすることである。
2023年度は、保育者を対象とする質問紙調査の分析結果について、前年度の日本自然保育学会第7回大会で行った発表内容に基づき、同学会の機関誌『自然保育学研究』第6巻第1号に2件の論文投稿を行い、掲載された。
また、自然保育に関する諸外国の制度について調査するため、9月にドイツの自然保育施設及び関係団体への視察・聞き取り調査を行った。自然保育施設については、モースヴィヒテル森の幼稚園、ヴァルトヴィヒテル自然幼稚園、聖ミハエルエーベンスフェルト・キツネ森の幼稚園、ミュンヘン市公立幼稚園等の視察と園長へのインタビューを行った。さらに、バイエルン州森の幼稚園連合会の代表者へのインタビュー、ミュンヘン市教育・スポーツ局保育課へのインタビュー、州立乳幼児教育研究所(IFP)において、ミュンヘン市行政関係者及び森の幼稚園連合会幹部へのインタビューを行った。この視察調査で得た成果については、2023年11月に行われた日本自然保育学会第8回大会において、2件の口頭発表として発表を行った。
子どもや保護者への影響を明らかにするための保護者対象調査については、5歳児の保護者を対象とした質問紙調査を行った。これは、2021年度に実施した3歳児の保護者を対象とする調査に続く準パネル調査である。
また、2023年度より「千葉県自然環境保育認証制度」を創設した千葉県の担当課(健康福祉部子育て支援課)に、創設の経緯及び制度の理念や認証園の反応についてインタビューを行った。また、認証園のひとつである「森のようちえん はっぴー」を訪問し、フィールド及び保育の視察を行うとともに、認証を受けての変化などについて園長にインタビューを行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、認定・認証制度の園・保育者に対する影響、子ども・保護者に対する影響、自治体・地域に対する影響、諸外国の類似の諸制度との比較、の4つの観点から調査分析を行っている。
1番目の園・保育者への影響に関する調査については、認定・認証園に勤める全保育者を対象とする質問紙調査の分析を終え、2本の論文として学術誌に投稿し、公刊することができた。
また、2番目の子ども・保護者に対する影響に関する調査については、3歳児及び5歳児の保護者を対象とする質問紙調査を、予定通り2023年度末までに実施することができ、認定・認証園に通う中でどのような変化が子どもに現れるかを分析する準備が整った。
3番目の自治体・地域に対する影響に関しては、自然保育認定・認証制度を創設した自治体への訪問を随時行なっており、これまでに滋賀県、奈良県、千葉県への視察調査を終えている。
4番目の類似制度をもつ諸外国の調査については、2022年度のデンマークに続き、2023年度はドイツへの調査を行うことができ、情報収集が進んでいる。
以上のように、概ね計画どおりに研究が進んでいるといえる。

Strategy for Future Research Activity

2024年度は、これまでに収集したデータの分析を進め、学会発表や論文投稿を行っていく予定である。
保護者対象の質問紙調査については、6月までにデータの打ち込み作業を終え、2021年度のデータと比較分析を行うことをとおして、3歳児から5歳児に至るまでの変化を考察する計画である。
また、2024年9月に自然保育(森の幼稚園)に関する法律を有している韓国を訪問し、森の幼稚園ならびに行政機関への視察及びインタビューを行う計画である。現在までに、韓国の森の幼稚園に詳しいChang Hee-Jung教授にコーディネートを依頼しており、日程の調整と訪問施設の選定を行っている。2023年度に実施したドイツへの視察調査の結果については、昨年度行った学会発表をベースとして、投稿論文を執筆中である。学会の機関誌ならびに各大学の紀要等への投稿を予定している。
自治体を対象として行ったインタビューデータも蓄積しているため、今年度は、これらのデータの整理・分析を行い、成果として発表する予定である。
こうした作業を着実に行うため、月1回のペースで研究会を実施し、進捗を確認する計画である。

  • Research Products

    (16 results)

All 2024 2023

All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 5 results) Presentation (8 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 自然保育認定・認証制度導入による保育者の意識と行動の変容2024

    • Author(s)
      山口美和、酒井真由子、杉山浩之、大道香織
    • Journal Title

      自然保育学研究

      Volume: 第6巻第1号 Pages: 1-13

    • DOI

      10.51051/jsececn.6.1_1

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 自然保育に関する研修が保育者に及ぼす影響ー自治体が主催する研修に着目してー2024

    • Author(s)
      庄子佳吾、田中住幸、北澤明子
    • Journal Title

      自然保育学研究

      Volume: 第6巻第1号 Pages: 14-26

    • DOI

      10.51051/jsececn.6.1_14

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 〈資料〉計量テキスト分析を用いた自然保育認定園の特徴に関する探索的研究2024

    • Author(s)
      庄子 佳吾
    • Journal Title

      自然保育学研究

      Volume: 第6巻第1号 Pages: 53~64

    • DOI

      10.51051/jsececn.6.1_53

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 保育者養成校に在籍する学生の環境教育に対する意識2024

    • Author(s)
      田中住幸
    • Journal Title

      農学・環境系の教職実践研究

      Volume: 第8巻第1号 Pages: 70-77

    • Open Access
  • [Journal Article] デンマークの森のようちえんの特徴と今日的意義―2022年のフィールドワークを手がかりに―2023

    • Author(s)
      山口美和、伏木久始、坂田哲人
    • Journal Title

      上越教育大学研究紀要

      Volume: 第43巻 Pages: 211-220

    • Open Access
  • [Journal Article] 持続可能な社会への変容と行動を促す保育2023

    • Author(s)
      木戸 啓絵
    • Journal Title

      保育学研究

      Volume: 61 Pages: 9~20

    • DOI

      10.20617/reccej.61.3_9

  • [Presentation] 保育者を志望する学生の身近な自然や環境教育に関する認識度調査2024

    • Author(s)
      加藤なぎさ・田中住幸
    • Organizer
      日本環境教育学会北海道支部2023年度大会
  • [Presentation] 幼児期のESDとしての自然保育の可能性2023

    • Author(s)
      田中住幸
    • Organizer
      日本環境教育学会第34回年次大会
  • [Presentation] 自然が持つ「不快さ」と幼児が出会う意義2023

    • Author(s)
      石原ひなた・田中住幸
    • Organizer
      日本自然保育学会第8回大会
  • [Presentation] 自主シンポジウム「持続可能な社会と保育のあり方ー人間中心主義の保育を問い直すー」2023

    • Author(s)
      井上美智子、木戸啓絵、松本信吾、葭田あき子、小西貴士
    • Organizer
      日本保育学会第75回大会
  • [Presentation] パネルディスカッション「自然保育と森林ESD(森林環境教育)ー持続可能な未来を目指してー」2023

    • Author(s)
      松山道子、高橋泰道、板倉浩幸、山口美和
    • Organizer
      日本自然保育学会第8回大会
  • [Presentation] ドイツ・バイエルン州における森の幼稚園の認可過程ーバイエルン州森の幼稚園連合・行政・乳幼児研究所へのインタビューを通してー2023

    • Author(s)
      大道香織、酒井真由子、杉山浩之
    • Organizer
      日本自然保育学会第8回大会
  • [Presentation] 子どもが自然の中で過ごすことの意義と重要性ードイツ・バイエルン州の保育者の語りから捉える保育理念と実践ー2023

    • Author(s)
      酒井真由子、大道香織、杉山浩之
    • Organizer
      日本自然保育学会第8回大会
  • [Presentation] ドイツ・バイエルン州における森の幼稚園の自然環境2023

    • Author(s)
      杉山浩之、酒井真由子、大道香織
    • Organizer
      日本自然保育学会第8回大会
  • [Book] 持続可能な社会をつくる幼児期のESD論2024

    • Author(s)
      降旗 信一、菊池 稔、田中 住幸、増田 直広、地下 まゆみ、小野瀬 剛志、中本 貴規、岡 健吾、陳 倩倩、板倉 浩幸、仙田 考
    • Total Pages
      160
    • Publisher
      人言洞
    • ISBN
      978-4-910917-12-2
  • [Book] 現場で役立つ保育実技 運動・ことば・音楽・造形あそびからSTEAM教育を取り入れた保育実践まで2023

    • Author(s)
      岡野聡子、北澤明子他
    • Total Pages
      103
    • Publisher
      ふくろう出版
    • ISBN
      978-4861868849

URL: 

Published: 2024-12-25  

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