2020 Fiscal Year Annual Research Report
地域と連携・協働したペアレント・メンターの持続的活動を支える研修プログラムの開発
Project/Area Number |
20H01712
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柳澤 亜希子 山口大学, 教育学部, 講師 (10435282)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ペアレント・メンター / 地域との連携・協働 / 研修プログラム / 持続的活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ペアレント・メンター(以下、メンターと記す)事業を展開している地域と連携・協働して、メンターの持続的な相談支援活動を支えるための研修プログラムを開発し、その有用性と効果を検証することを目的とする。具体的には、メンターの持続的な活動に不可欠な「研修」に焦点を当て、①遠隔支援システムを導入し、他地域のメンターとの交流を組み入れた研修プログラムの提供が、メンターの持続的な研修への参加や相談支援活動に対する意欲や意識の向上に及ぼす効果を検証する。 また、メンターの持続的な相談支援活動には、メンター自身の心理的な安定が不可欠である。このため、②メンターが精神的に健康な状態で相談支援活動に従事できるように、メンターのストレスを可視化してストレスの増幅を予防する手掛かりとなる「メンター活動ストレス・チェック調査票(仮称)」を作成し、その有用性を検証することを目的とする。 本年度は、研究協力を得ている3地域を対象に、メンターとして登録している保護者を対象に本研究への協力依頼を行い、承諾者に対してオンライン・オンデマンドによる研修の可能性を確認することを目的として自宅等における情報機器・ネット環境を、また、メンター登録後に受講したフォローアップ研修に対する満足度と今後希望する研修内容及びオンデマンド研修の適正配信時間等についてアンケート調査を行った。 上記アンケート調査の結果を基に、各研究協力地域のペアレント・メンター事業担当者とメンター活動歴が長い保護者とともに、研修で取り上げる内容について、①メンターのニーズ、②メンターとして再確認を要する内容、③親しみやすさ、④内容の簡潔さ、⑤隙間時間でも視聴ができる内容の構成と時間配分の観点から検討を進め、研修計画を立案し、研修動画のプロットの作成に着手した。加えて、新たな研修としてメンター同士の交流型研修の持ち方についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症によりペアレント・メンターによる相談支援活動と彼らを対象にした研修が、中止・延期となった。研究協力地域においては、蔓延防止の措置により活動の再開の目途が立たなかった。こうした事情から、当初予定していた計画で研究を遂行することが困難となり、研究計画と研究方法の見直しが必要となった。 研究協力地域と研究対象のペアレント・メンターに負担を生じさせないように配慮し、まずはオンデマンドによる研修を整備することで研修再開にこぎつけられるように研修動画の制作に関わる検討を優先させた。このため、「メンター活動ストレス・チェック調査票(仮称)」の検討までには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に実施予定であった「メンター活動ストレス・チェック調査票(仮称)」については、コロナ禍であることによってもたらされるストレスとメンターとして相談支援活動を行うことによってもたらされるストレスとを区別して項目設定を行う必要がある。次年度にペアレント・メンターを対象とした交流会を予定しており、その会ではコロナ禍における活動の困難さについて取り上げることとなっている。参加メンターから得られた情報を基に、ストレス・チェック調査票の項目の精査を進める予定である。
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