2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development and evaluation of treatment programs and support tools to care for the fear of compassion.
Project/Area Number |
20H01770
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Seitoku University |
Principal Investigator |
石村 郁夫 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (60551679)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 直樹 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90453290)
佐藤 修哉 長野大学, 社会福祉学部, 准教授 (20793243)
中谷 隆子 東京成徳大学, 応用心理学部, 助教 (50740924)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | コンパッション・フォーカスト・セラピー / セルフ・コンパッション / コンパッションの恐れ / 思いやり恐怖 / マインドフルネス / 慈悲 / 増悪因子 / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来のCFTに治療抵抗を示す臨床群の精神的負荷を軽減するためにコンパッションの恐れに配慮した治療プログラムとe-learningシステムを開発し、そのプログラムの安全性と有効性を検証することを目的とする。 令和3年度は、昨年度の文献研究の結果を踏まえてコンパッションに基づく介入による治療抵抗を測定する新たな尺度を作成した。 研究1-2:思いやり反応尺度の作成(令和3年4月~12月) 目的と方法:昨年度の文献研究で抽出されたコンパッションを向けられた時に生じる抵抗(Fears, Blocks, Resistances)を測定する尺度を開発することを目的に,大学生145名を対象に質問紙調査を行った。思いやり反応尺度は5因子(①温かさを感じる,②やさしくされる価値はない,③過去の記憶が思い出される,④距離を取って反応する,⑤見捨てられ不安を感じる)が抽出され,十分な信頼性を示していた。 研究3:プログラムで使用する支援アプリの開発(令和4年1月~令和4年3月) 目的:CFTの心理教育ビデオ(新しい脳と古い脳等)、エクササイズの解説ビデオ、アセスメントツール(コンパッション関連指標等)、音声ガイド(呼吸法、マインドフルネス等)、エクササイズ(慈悲の手紙、慈悲の行動活性化等)を開発した。現在,一般大学生40名を対象に調査協力者を募集している。調査対象は一般大学生40名を予定しており,支援アプリ群と統制群(各群20名)を設定し、無作為配置する。調査内容としては各モジュールの理解度、有効性(役立ち度)、利用の簡便性(取組み度)への回答を求め、毎週、効果測定としてK6(不安・抑うつ)尺度に回答を求める。また、宿題等へのコンプライアンスを検証する。測定指標としては、介入前後およびフォローアップの3ヶ月後の変化量を比較することでプログラムの妥当性を検証する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度,コンパッションに基づくエクササイズによって生じる抵抗(恐れ:Fears, ブロック:Blocks, 抵抗:Resistances)について文献研究によって抽出した。ただ,その検証が未実施であった。そのため,本年度の当初,予定を変更して,本研究課題の中心的テーマで,介入時にアセスメントとして利用する予定である,思いやり反応尺度(Compassion Response Scale)を開発することとした。思いやり反応尺度を含む質問紙調査は,新型コロナウィルスで予定されていた協力者数を募集することができなかったために,後期にも調査を延ばすことで対応した。このように,本年度,取り組む予定であった研究課題に着手するために約半年遅れてしまった。ただし,その後は,CFTの心理教育ビデオ(新しい脳と古い脳等)、エクササイズの解説ビデオ、アセスメントツール(コンパッション関連指標等)、音声ガイド(呼吸法、マインドフルネス等)、エクササイズ(慈悲の手紙、慈悲の行動活性化等)を開発した。開発が終わった時点で,3月になっており,試験運用は来年度に移すことで対応することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度から,円滑に研究計画を遂行するために新たに1名の研究分担者を追加することとした。また,4名の博士号をもつ研究協力者にも研究実施の補助や分析で協力を仰ぎながら進めていく。昨年度,未実施である研究3は,大学生40名を募集し,9月までに完了できるように実施していく。多施設での介入にするために,5大学に対して8名ずつ募集を掛けて,1人1人の研究分担者の負担を軽減していく。研究4は,研究3が終わり次第,速やかに実施する予定である。研究3で,大きなプログラムの問題が見られなければ,研究4を実施していく。研究4は5名×8グループ,計40名を対象にしており,少なくとも5名の参加者の予定が合うように調整するのが最も想定される課題といえる。研究4の参加者は,代表者や分担者の所属している大学で募集することを想定しているが,仮に,参加者が確保できない場合は,インターネット上でも募集することを検討する。以上のように,協力者の募集について事前にフローチャートで考慮し,速やかに対策が打てるようにしておく。
|
Research Products
(6 results)