2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01811
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 博樹 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00467440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻井 正人 九州大学, 数理学研究院, 教授 (20251598)
イェーリッシュ ヨハネス 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (90741869)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 力学系 / 大偏差原理 / マルチフラクタル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
負型連分数展開や放物型の元をもつ有限生成フックス群の双曲面への作用に関して、大偏差原理とマルチフラクタル解析による研究が進展した。特に、負型連分数の展開係数の平均のマルチフラクタル・スペクトルは恒等的に1であることを証明した(分担者のJohannes Jaerisch氏(名古屋大学)との共同研究)。この主張は、負型連分数展開と正則連分数展開の間の本質的な違いを示しており、興味深い。この他、Diophantine近似に関係する正則連分数展開の分母の増大度に関して以前に得ていたレベル1の大偏差原理の精密化について、中国の研究者らとの共同研究を行い、平均値の近傍での揺らぎに関する新しい極限定理を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者のJaerisch氏、および辻井正人氏(九州大学)との共同研究が順調に進んでおり、成果の一部は論文としてすでに刊行されているだけでなく、今後のさらなる発展も見込まれる。よって概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
負型連分数展開のマルチフラクタル・スペクトルについて得た結果の一般化、特に放物型の元をもつショットキー群作用への一般化を考察する。有限生成フックス群の双曲面への作用に関するレベル1の大偏差原理、およびその精密化(refined large deviations)を論文にまとめる。分担者2名(Jaerisch, 辻井)と相互に連絡を取り合い、集中的に議論を重ねる。
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