2022 Fiscal Year Annual Research Report
Regularity theory for viscosity solutions of fully nonlinear equations and its applications
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20H01817
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小池 茂昭 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90205295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 仁司 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (70102887)
小杉 卓裕 公立鳥取環境大学, 人間形成教育センター, 講師 (80816215)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 粘性解 / Lp粘性解 / 完全非線形方程式 / ABP最大値原理 / 障害問題 / 平均場ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
完全非線形方程式の正則性理論はCaffarelliによって大きなブレークスルーがあり、その後、Caffarelli等によって、Lp粘性解の概念が導入された。Lp粘性解の正則性理論は、偏微分方程式論における発散型と非発散型の偏微分方程式をつなぐ統一理論の構築に大きく寄与すると考えられる。申請者は非斉次項や低階微分項の係数に非有界を含む冪乗可積分な関数も含めた場合に、正則性理論の基本となるABP最大値原理やHarnack不等式を導いた。 2020年には、完全非線形楕円型方程式の障害問題のLp粘性解の正則性を導いた。2021年には、完全非線形楕円型を含む障害問題の解の正則性に関し、未解決問題を明らかにし、その一部に解決を与えた。 2022年には、完全非線形楕円型方程式のLp粘性解のABP最大値原理において、臨界指数でかつ、上接集合上に非斉次項の積分を制限した量で評価した。これにより、ベルマン型だけでなく主要項に凸性を仮定しない場合のアイザックス型の方程式に対してもLp粘性解がほとんど全ての点で方程式を満たすことを示した。さらに、ボニーの最大値原理を臨界指数係数を持つ完全非線形方程式に対しても示した。 一方、出版はまだされていないが、障害問題の処罰法による近似の収束のレートを最大値ノルムで評価する研究(1918年)を平均曲率流方程式や、退化性を持つ楕円型方程式の場合などへと一般化する研究を行っており、一部は研究集会で発表している。(現時点では、論文は受理されている)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ABP最大値原理を上接集合上での非斉次項の積分量で評価できることは申請当時、予想していなかった。この結果、Caffarelli等の研究では得られていない、ほとんど全ての点で方程式を満たすことを示したことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
完全非線形楕円型方程式に関しては、完成形と呼べる結果を得たので、対応する完全非線形放物型方程式の研究を展開する。 さらに、平均場ゲームへの応用も従来と異なり、最適制御理論を用いず偏微分方程式論の技法のみを用いて研究する。この方法により、偏微分方程式独自の非線形項や非局所項を持つ方程式系の進展を促す。 一方、数理ファイナンスを含む応用では、様々な確率過程をベースにした最適制御理論に現れる問題を解析する。
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