2022 Fiscal Year Annual Research Report
マトロイドの臨界問題の新展開と解決への複合的アプローチ
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20H01818
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
城本 啓介 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (00343666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籾原 幸二 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (70613305)
平石 秀史 日本大学, 理工学部, 准教授 (70795335)
丸田 辰哉 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80239152)
千葉 周也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (80579764)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マトロイド理論 / 代数的符号理論 / グラフ理論 / 有限幾何 / 代数的組合せ論 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の3年目における研究基盤づくりを目的として,昨年度までに引き続き,各課題において計算機による豊富な具体例の作成を進めた.さらに,それらのデータについて解析に取り組み,具体例から考察できる事象の状況についても検討を進めた.課題ごとの具体的な研究計画・方法は以下の通りである. (1)前年度に実施した低次元における完全グラフの射影包含の証明を高次元へ一般化することを検討した.また,4元体上の射影空間におけるブロッキング集合の分類を5次元程度まで計算機上で実行した.だだし,低次元のブロッキング集合については,個数が著しく少ないものの,高次元になると多数存在することが把握できた. (2)接ブロックマトロイドの構成および分類に関する研究を実施するため,前年度に実施した位数5以下の体上の符号長40以下の具体的な符号の構成法について検討を行った.さらに,符号が接ブロックになるための必要十分条件について導出を検討した. (3)前年度に引き続き,彩色数が2の臨界指数べき乗となるグラフ・符号の分類を実施するため,位数10までのグラフの彩色数と臨界指数に関する計算データをもとに一般化への議論を進めた.その結果,等号を満たすグラフと符号の構造の特徴付けについて検討を進めた.これらを統一的に解析するために,そのようなグラフ・符号の分類をおこない,等号を満たすグラフの禁止マイナーによる類別について具体例を検討した. (4)前年度に証明した階数距離符号での臨界定理をもとに,臨界指数を一般化し,限界式を導出した.さらに,等号を満たす符号の具体例を計算機上で実装した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間内の中間年度と言うことで,当初の計画通り,前年度までに収集した計算データを用いて,基礎理論の構築のための基盤作りをおこない,目標としていたいくつかの結果を得られていることから,おおむね計画通りに進んでいると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に取り組んだすべての研究課題について,これまでに収集した計算データの解析を次年度以降は理論的に考察することで,基礎理論を発展させ,目標としている結果に近づける.特に,研究課題(4)については,本年度に得られた臨界指数の上限界式を用いて,等号を成立させる符号の分類定理を証明する予定である.
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