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2020 Fiscal Year Annual Research Report

核分裂片同時計数検出器による中性子過剰核の融合反応機構研究

Research Project

Project/Area Number 20H01918
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

坂口 聡志  九州大学, 理学研究院, 准教授 (70569566)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords超重元素 / 不安定核 / 安定の島 / 核融合反応
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、融合反応測定のための核分裂片同時計数検出器を開発し、二次ビームとして生成する質量数50 近傍の中性子過剰核と重原子核の融合反応メカニズムを研究することを目的とする。このため、2種類の検出器を開発する。1つはMCP型飛行時間検出器であり、ビーム粒子の飛行時間からエネルギーを測定するものである。もう1つは大立体角PPAC検出器であり、2つの核分裂片の放出角度と飛行時間を同時計測し、核分裂片の質量比を測定するものである。
この目的のため、令和2年度は主に前者のMCP型飛行時間検出器の開発を行った。まず検出器を3次元CADを用いて設計した。既存の検出器に対して、高真空を得るためのエア抜き穴の整備、高電圧および信号線の経路の最適化、電場の最適化などの改良を施した。
上記の設計に基づき、部品の手配の後、実機2台の製作に移行した。十分な検出効率および分解能が達成される有感領域として50 mmφ以上を保証するため、開口径86 mmφの窓枠に貼った二次電子放出薄膜に金を蒸着して加速電極とした。また、ワイヤーを等間隔に張るための巻線機を設計・製作し、二次電子輸送用の電場を形成するための電極を作成し、二次電子を有感領域77 mmφのマイクロチャネルプレート(MCP)に入射させて増幅・検出できるようにした。
実機の組み立て後、放電試験を経て、動作確認のためオフライン試験を行った。α線がMCP型飛行時間検出器を貫いてシリコン検出器に入射できるように線源を配置し、2台の検出器からの信号の時間差を測定した。結果として想定通りの値が得られ、検出器の正しい動作が確認できた。令和3年度、タンデム加速器からの重イオンビームを用いた詳細な性能および位置依存性の評価を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

理由①:新型コロナウイルス感染症による影響で測定回路用の部品の納入が遅れ、タンデム加速器を用いたMCP型飛行時間検出器のオンライン性能評価まで完了させることができなかったため、若干の遅れが生じている。一方、オフライン試験は既に完了しており、加速器を用いたオンライン試験にはすぐに着手できる状況にあり、この遅れは令和3年度に十分吸収可能である。
理由②:当初、検出器の製作(特にワイヤーグリッドによる電極作成)は理化学研究所において遂行することを予定していたが、出張が困難な状況でもあり九州大学に製作環境を整備した。具体的にはワイヤー巻線機などの装置を設計・構築した。これにより九州大学に恒常的な検出器開発環境を立ち上げられたことは今後の研究および故障した検出器のメンテナンス等の上において大きな意味を持つ。これは当初の計画以上の進展である。
自己点検結果:上記2点より、全体としておおむね順調に進展していると評価する。

Strategy for Future Research Activity

今後は令和2年度に遂行予定であったタンデム加速器を用いたMCP型飛行時間検出器のオンライン性能評価を行い、ビーム粒子検出器の完成を目指す。さらに、核分裂片検出器であるPPAC(もしくはMWPC)およびガス供給システムを開発し、九州大学加速器・ビーム応用科学センターにおいて性能評価を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 変形核整列による融合反応機構研究の可能性2020

    • Author(s)
      坂口聡志
    • Organizer
      オンライン研究会「時間階層進化として捉える原子核反応」

URL: 

Published: 2022-12-28  

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