2022 Fiscal Year Annual Research Report
Past climatic change and its influence on the Japanese society
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20H01981
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川幡 穂高 東京大学, 大気海洋研究所, 名誉教授 (20356851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 麻夕里 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20451891)
鈴木 淳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (60344199)
吉田 明弘 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (80645458)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 古環境 / 古気候 / 水温復元 / 松島湾 / 天明 / 天保 / 飢饉 / 高時間解像度 |
Outline of Annual Research Achievements |
江戸時代は,北半球の平均気温が0.6℃ほど低下したと推定される「小氷期」と呼ばれる寒冷な時代であった.このように寒冷化が常態化した条件で,火山噴火やエルニ-ニョなどが起こると,極端な冷夏が訪れる.日本では江戸時代後半に顕著な冷夏により天明・天保の大飢饉などを経験した. 天明の大飢饉は主に極端な冷夏によって引き起こされた.これは1782~87(天明2~7)年の6年もの長期間継続した.特に甚大な被害を被ったのが東日本と東北日本であったが,九州,四国でも被害が報告されており,被害は全国的規模であった.幕府による1780年と1792年の人口調査によると,人口は1,119,059人減少となり,全人口の約3%に達する人命が失われたことになる. 従来,天明の大飢饉の主たる原因は,浅間山の噴火であると説明されてきたが,文献調査をしした結果,これは正しくないことが判明した.浅間山の本格的な噴火は1783年7月で,それ以前に飢饉の前兆となる「ヤマセ」が三陸海岸では吹いていた.1783年には青森県弘前市にある岩木山も噴火したので,東日本と北日本の耕作地は降灰を被った.降灰は農作物の収量低下を引き起こし,量が多くなると大凶作となる場合が多い. 東北地方は「天明・天保の大飢饉」を経験し,仙台藩の文書によれば米の収量が30%以下まで落ち込んだことが記録されている.私たちのこれまでの成果に基づくと,「天明・天保期の寒冷イベント」は過去8,000年間で最寒期であると予想される. 今回,松島湾内で堆積物柱状コアの入手ができた.松島湾は内湾で水深が4mと浅いが,江戸時代の環境復元に最適で,天明・天保期の堆積物は,海底面より20から40cmの深さにあると推定される.海底柱状試料を採取し,日本の歴史記録と環境の関係を明らかにしたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定されたコアを採取し,2024年の向けて試料が準備された.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度に高時間解像度(1から10年)で,定量的な環境復元(水温,降雨,塩分,生物生産など)の分析を行う予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Constant shell density of hyaline large benthic foraminifers under thermal stress2023
Author(s)
Kinoshita,S. Kuroyanagi, A., Kawahata, H., Fujita, K., Ishimura, T., Suzuki, A., Kano, H., Kubota, Y., Nishi, N.
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Journal Title
Marine Micropaleontology
Volume: 181
Pages: 102232
Peer Reviewed
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