2020 Fiscal Year Annual Research Report
Calculation of base plate uplift and safety verification of corner joint of unanchored flat-bottom cylindrical shell tanks
Project/Area Number |
20H02101
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷口 朋代 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (90346370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑山 健 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, その他 (00358798)
吉田 祐一 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, 研究員(移行) (70868661)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ロッキング-バルジング相互作用 / 底板の浮上り高さと範囲 / 平底円筒貯槽のロッキングの復元機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに研究代表者らが作成した「円筒シェルに底板の浮上り部分を表す片持ち梁と基礎と接触している底板部分を表す弾性床上の梁とを連結した力学モデル」を用いて、簡単にかつ精度よく底板の浮上り高さと浮上り範囲(以下、底板の浮上り形状)を算定する手法の導出を試みた。同力学モデルに、ロッキングの最大角加速度に基づくロッキング動液圧、ロッキング-バルジング相互作用によるバルジング応答の低減効果を含んだバルジング応答の最大加速度に基づくバルジング動液圧、静液圧、自重、側板下端の軸力を作用させ、かつ底板先端と側板下端の結合部の回転がゼロであると仮定して、底板の浮上り形状を表す数学解を導出した。同数学解の結果と三次元の平底円筒貯槽(以下、タンク)を用いた陽解法に基づく有限要素法による時刻歴応答解析の結果とを比較したところ、提案した数学解は底板の浮上り形状を非常に良い精度で近似できることを示した。 一方、既存の底板の力学モデル(Malhotra & Veletsos,1994)より得られる底板の引上げ力から抵抗モーメントを概算し、Housner理論から得られる転倒モーメントと比較することで、タンクのロッキング挙動の復元機構に関して考察した。その結果、底板を浮き上がらせる力である底板の面外せん断力から計算されるタンクのロッキング挙動の抵抗モーメントは、タンクのロッキング挙動を支配する転倒モーンメントに比べて十分小さいので、復元機構としてほぼ機能しない可能性があることを示した。他方、主たる復元機構は内容液の回転慣性であると予想しているが、有限要素法による解析結果を用いて内容液の回転慣性を定量的に評価するなどして復元機構の正体を確認する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
提案した数学解は底板の浮上り形状を非常に良い精度で近似できることが分かったこと。 底板の面外せん断力(底板引上げ力)が、タンクのロッキング挙動の復元機構としてほぼ機能しない可能性があることを示したこと。これは、本研究以外の全ての研究が、当該機構にのみタンクのロッキング挙動の復元機構を求めているが、それを真向から否定したことになるから。
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Strategy for Future Research Activity |
底板浮上り部に起因するロッキングの抵抗モーメントが、タンクの転倒モーメントよりかなり小さいことが示唆されたので、それを確認するとともに、タンク内容液の運動がタンクのロッキング運動を支配するという仮説を、陽解法に基づく有限要素法解析の結果で着目する物理量を変えるなどして力学的に検証することを試みる。 一方、主たる復元機構は内容液の回転慣性であるとの予想に基づき、これまでに研究代表者らは、タンクのロッキング挙動を記述する「バネ-質点-剛体連成モデル」を作成している。ここで、「バネ-質点-剛体連成モデル」は、水平地震動に対するタンクの並進応答を表す「バネ-質点系」と、タンクの並進応答に伴う転倒モーメントにより生じるロッキング応答を表す「剛体系」を組み合わせた二元の連立方程式で表される。 そこで、当該モデルに地動加速度を与えた場合の応答の時刻歴を求める数値解析法を開発する。開発した数値解析法の解析精度は、有限要素法に基づきモデル化したタンクの三次元モデルを陽解法で解析した結果と比較して行う。
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