2020 Fiscal Year Annual Research Report
Weak Control for Human-in-the-loop Systems and its Application in Agricultural Environment
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20H02173
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 正樹 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80725680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 文一 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 教授 (70362837)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人と機械の協調制御 / ヒューマンインザループシステム / 農業環境制御 / IoT / レコメンドシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,人間の行動・意思決定を制御ループに含むシステムに対する統一的な制御理論の開拓から体系化までを目的としている。そして,理論をもとに,人間と機械が協調する新しい発想の農業生産管理システムを開発し,簡易農場での実験検証をおこなうことを目指している。制御理論の中心は,人間の自由な行動を許容しながらもシステム全体の安定性や定量的な性能保証を可能とするシステム構造を求めることである.特に,制御システムが許容可能な行動候補を人間に提示し行動を選択させる「弱い制御」の概念を実用的なモデル予測制御の形で実現するとともに,農業生産管理のために機械が農作業者へ取るべき行動の候補を提示し行動してもらうレコメンド制御システムを開発し,自作する簡易農場での実験により有用性を検証する. 本年度は延長期間も含めて,レコメンド制御システムの基礎理論の構築するとともに農業実験環境の整備までをおこなった。構築した実験環境のもとで得られたデータに気象予報も組み合わせることで農業環境の温度・湿度・土壌水分量などの予測モデルを構築した。このモデルをもとにしたレコメンド制御の理論とシミュレーションの結果をまとめて,査読付き論文誌「計測自動制御学会論文集」や査読付き国際会議「European Control Conference」,国内会議「自動制御連合講演会」や「制御部門マルチシンポジウム」などで成果発表をおこなった。特に自動制御連合講演会で発表した農業環境のレコメンド制御が「優秀発表賞」を受賞するなどの高い評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の延長はおこなったものの,2020年度での研究実施計画にあった「基礎理論の構築」と「農業実験環境の準備」をおこなうことができた。基礎理論としては,レコメンド制御の問題定式化をおこないモデル予測制御の形で一つの実現方法を提案することができた。農業実験環境の準備としては,研究協力者の協力のもとで,実際の農場へのハウスの設置,温度・湿度・土壌水分量センサの設置からデータの取得までおこなえることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,さらに制御理論を深化するとともに,システムユーザの好みや行動の傾向のデータ駆動モデリングをおこなう。ユーザモデルを用いることでより効果的なレコメンド制御を可能とすることを目指す。また,実験環境のなかでもセンサシステムをより高度化してリアルタイムでの環境情報を可能とする。さらに研究協力者に実際に制御ループには参加してもらいレコメンドのもとでの行動選択まで含めた制御実験までおこなう。
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