2021 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトロボティクス技術を組みこんだ空中散布可能な災害支援ロボットの技術基盤の構築
Project/Area Number |
20H02412
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
松本 光春 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70434305)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソフトロボット / 災害支援ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では近年大きな注目を集めるソフトロボティクス技術を組みこんだ空中散布可能な災害支援ロボットの実現を目指し,ソフトロボティクスに関する申請者の過去の研究成果を踏まえ,材料特性,剛性制御,形状設計,駆動原理,動力確保など多面的な観点から課題解決の可能性を検討している. 今年度は初年度に購入した粘度計や引張試験機,実験評価,および,解析のための計算機,ロボット作成や材料加工のために利用する3Dプリンタなど資材を利用し,基盤技術に関する検討を進めた。申請者がこれまでに開発してきた折り紙ロボットをベースとした空中散布機構とその歩行形態への変形,衝突時に機構的に力を逃がす構造の実装,ダイラタント流体による剛性制御,生体模倣による自己修復機構,天然材料のみを構成材料として利用した非電気駆動ロボットなどの複数の研究テーマについてそれぞれ一定の進展があった. 折り紙ロボットをベースとした空中散布構造については植物の翼果の構造を模倣し,回転落下を実現するため物理モデルの作成と落下速度に与える開発プロトタイプの物理パラメータの抽出、翼角に応じた落下速度の違いに関する検証実験を行った.落下後の変形についても検討を加え,地上での移動実験についても検証した. 機構的に力を逃がす構造については柔軟素材による衝撃吸収効果と動作による衝撃吸収効果の相乗効果を狙い,それらを組み合わせた衝突回避の手法について検討を加えた.ダイラタント流体においては,流体の制御による粘度制御の可能性について調査した.生体模倣による自己修復については生物の血液による凝固とそれによる修復を模倣した自己修復機構について検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目標である空中散布可能なロボットに関し,理論・実験両面からの進展があったほか,衝突の軽減方法の検討や衝突時の損傷に対応する自己修復機構に関する検討など複数の研究テーマについて一定の進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
空中散布に耐えうるロボットの実現のため,電気系,非電気系それぞれにおけるロボットの駆動やその関連技術について引き続き検討を加えたい.
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