2021 Fiscal Year Annual Research Report
Stimulation of nitric oxide (NO) production in vascular endothelial cells by Raphanus sativus (Sakurajima Daikon) extracts
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20H02936
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
加治屋 勝子 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (00379942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 寿史 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 准教授 (90452333)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トリゴネリン / 桜島大根 / eNOS |
Outline of Annual Research Achievements |
循環器疾患の予防のためには強くしなやかに伸び縮みする血管を維持することが不可欠であり、これまでに桜島大根由来トリゴネリンが血管内皮細胞層から放出される一酸化窒素(NO)の産生量を増加させ、血管の収縮・弛緩を制御している血管内皮機能を改善することを明らかにした。本研究では、トリゴネリンの特性解析をおこなうことで植物体内での位置付けを解明すると共に、これまでに明らかにしたトリゴネリンのNO産生機構の全容解明をおこない、真の循環器疾患予防を実現することを研究全体の目標としている。また、最終的にヒトが摂取する食材であることから、臨床試験により血管内皮機能の向上に必要な桜島大根の最適量及び摂取期間を科学的に証明し、トリゴネリンの実質必要量を明らかにする。 2021年度は、トリゴネリンの特性解析として、桜島大根以外の血管内皮機能改善効果を持つ食材の探索をおこない、大根類の中での順位付けをおこなった。また、大根類以外でトリゴネリンを含んでいる食材を見つけ出したが、加工上の損失が著しいため、別途、課題解決に向けた新プロジェクトを立ち上げ、本研究課題内での解決とは区別した。続いて、トリゴネリンによるNO産生機序の全容解明に取り組んだ。トリゴネリンによる血管内皮細胞のNO産生能の向上は、NO合成酵素であるeNOSのリン酸化(活性化)による。eNOSの活性化機構はCa2+依存性経路とCa2+非依存性経路が存在することから、両方の経路に対するトリゴネリンの影響を調べた。その結果、Ca2+非依存性ではなく、Ca2+依存性経路であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の部品入手困難により血管内皮機能の評価に必要な装置の改良が遅延してしまったが、改良後は計画通りに進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究に向けて基礎研究のデータ蓄積を確固たるものにしなければならない。そのため、分子間相互作用解析によりNO産生機構の更なる解析をおこなう。
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Research Products
(12 results)