2020 Fiscal Year Annual Research Report
バラ科果樹の2つの自家不和合性機構:非自己認識と自己認識の分岐の分子基盤解明
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20H02954
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐々 英徳 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (50295507)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自家不和合性 / バラ科 / RNase / F-box / 雌ずい / 花粉 |
Outline of Annual Research Achievements |
バラ科はS-RNase型自家不和合性を示し、サクラ連(アーモンド、ウメ)では申請者らが発見した単一の花粉側因子SFB(文献10)が自己S-RNaseを認識する(単因子自己認識型)。興味深いことに申請者らは、ナシ連(ナシ、リンゴ)では複数の花粉側因子SFBBが非自己のS-RNaseを認識する「多因子非自己認識型」を示すことを見出した。だが、これら2タイプは分子レベルでどのように異なり、どのように分岐したかは不明である。本研究は、申請者らが最近確立したSFBBとS-RNaseタンパク質の相互作用解析系を用い、ナシ連の「多因子非自己認識」機構とサクラ連「単因子自己認識」機構の異同とこれらがどのように分岐したかを実験的に解明すること、そして未だなされていないSFBBの直接的機能証明を行うことを目的としている。 本年度は、SFBB組換えタンパク質発現系の改良を行った。ベクターやタグの検討を行ったところ、従来の系では発現量が極めて少なかったSFBBアリルについても組換えタンパク質の発現が確認できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SFBB組換えタンパク質発現系の改良を目指してベクターやタグの検討を行ったところ、従来の系では発現量が極めて少なかったSFBBアリルについても組換えタンパク質の発現が確認できるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
改良タンパク質発現系を用いてSFBB組換えタンパク質を発現させ、効率的にプルダウンアッセイが行える実験系を確立する。プルダウンアッセイ系が確立されれば、その系を用いてS-RNaseとの共沈を解析する。
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