2021 Fiscal Year Annual Research Report
Behavioral manipulation via regulation of gustatory gene expression in Nesidiocoris tenuis
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20H02992
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
上原 拓也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (80756023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜田 政美 東京大学, 東京大学・大学院農学生命科学研究科 (農学部), 教授 (80344000)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食性 / 雑食性 / 天敵昆虫 / 天敵育種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、雑食性の捕食天敵昆虫タバコカスミカメの味覚受容体遺伝子を探索し、RNA干渉法によりこれらの遺伝子の発現を抑制する。発現を抑制した個体を用いて摂食行動試験を行うことで食性を決定する遺伝子を明らかにする。
これまでに、タバコカスミカメと近縁の植食性カスミカメ2種のRNA-seqデータを新規に取得し、それぞれの種でde novo assembleして、contig配列を得た。また、公共データベース上に収録される植食性カスミカメ3種についても同様に配列を得た。contig配列について、1) 配列類似性検索及びタンパク質のドメイン検索から味覚受容に関わると想定される遺伝子で、2) 植食性と雑食性のカスミカメで共通して発現している遺伝子を精査し、植食性への関与が考えられる遺伝子として13個絞り込んだ。
これらの遺伝子について、二本鎖RNA (dsRNA) を合成し、タバコカスミカメの幼虫に経口投与した。標的遺伝子の配列の一部を含むdsRNAを摂取した虫は、対照区であるEGFPのdsRNAを摂取した虫と比べ標的遺伝子の発現量が抑制されることを確認した。植物成分を含む寒天培地を用いて、遺伝子発現抑制個体と対照区個体の摂食行動を評価したところ、いくつかの遺伝子では発現抑制によって寒天上にできる吸汁痕の減少が確認された。以上の結果は、味覚遺伝子の発現制御によって摂食行動を制御できる可能性を示すと考える。今後、引き続き味覚遺伝子の発現抑制個体を用いて摂食行動への影響評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感染症拡大前と同等の研究活動の再開や、リモート解析環境の整備が進み研究の遅れを取り戻すことができた。予定通り、標的遺伝子を絞り込み、特許出願まで完了できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、標的遺伝子の遺伝子発現抑制による植食行動の解析を行うとともに、肉食行動についても解析を開始する。
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Research Products
(4 results)