2024 Fiscal Year Annual Research Report
スマートフォンの携帯通信網を活用したサンゴ一斉産卵の同時多点観測システムの構築
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23K20289
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
鈴木 豪 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 主任研究員 (30533319)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善岡 祐輝 沖縄科学技術大学院大学, マリンゲノミックスユニット, リサーチフェロー (20982169)
竹垣 草世香 (向草世香) 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (30546106)
酒井 一彦 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 協力研究員 (50153838)
新里 宙也 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70524726)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | ミドリイシ / フェノロジー / 受精効率 / 幼生加入 |
| Outline of Annual Research Achievements |
多くのサンゴは年1回の同時一斉産卵という繁殖により、大量の幼生を供給する。加入の変動を決定する上で『同時一斉産卵の同調性』が鍵となると考え、幼生加入量と産卵同調性との関係について注目した。一斉産卵の同調は、空間スケールや種によって「ずれ」が生じる上、環境条件と連動した年変動があると予想される。そこで、本研究では、一斉産卵を多点同時観測することで、個体群レベルにおける産卵同調の実態を解明することを目指し、既存の携帯通信ネットワークを利用するシステムを開発した。 ミドリイシ属サンゴの産卵予想期間は幅広く、少なくとも1週間程度は観測を続ける必要があるため、バッテリーを持続させる方法として、太陽光パネルによる充電を採用した。また、産卵を確実に検知するため、浮体装置を作り、円筒型のプランクトンネットで捕捉したバンドル(精子と卵の入ったカプセル)を撮影する方法を考案した。バンドルは、ビニールホースでプランクトンネットまで自動的に浮上させるなど試行錯誤を繰り返し、産卵観測装置を完成させた。2024年5月には、産卵予想期間の約1週間前に、石垣島浦底湾内の10か所に装置を設置し(対象種:ウスエダミドリイシ)、産卵タイミングを記録した。同時期に、琉球大学瀬底実験施設でも産卵観測を試みた。その結果、バンドルの浮上をリアルタイムで観測することに成功し、浦底湾の東部と西部で産卵が1日ずれていることが分かった。また、同日ではないものの、瀬底でも産卵をスマホ上で確認できた。 さらに、年間を通じたウスエダミドリイシのトランスクリプトーム解析を実施し、産卵同調に関わる遺伝子を特定することに成功した。
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