2022 Fiscal Year Annual Research Report
隠れた地域資源「根系」を活用した持続的・循環型イネ生産体系の確立に向けて
Project/Area Number |
20H03115
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
関谷 信人 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (80456590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 晋生 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10335151)
近藤 誠 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (50432175)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 根系 / 飼料イネ / 土壌養分 / 水田 |
Outline of Annual Research Achievements |
コメの供給過剰を回避しつつ、水田を維持するために飼料イネの栽培が増加している。本研究では、土壌養分を収奪し持続的イネ生産を阻害すると批判される飼料イネが、実は根系によって土壌養分を良好な状態に維持することで、イネ生産の持続性に大きく貢献するのではないかという逆説を検証する。 三重大学の水田圃場を30分割し、15処理×2反復の区画を設定した。各反復に穂が小さい飼料イネ品種たちすずかと、比較品種として穂が大きい飼料イネ品種クサノホシおよび食用イネ品種コシヒカリを栽培した。また、植物がない場合の土壌養分の変化を確認するため無植栽区を設けた。成熟期に飼料生産を模して全品種の地上部全量を刈取った。ただし食用イネ品種で、通常栽培を模して地上部を細断し土壌へ還元する区を設けた。刈取り後、全品種の根を除去する区と無処理区を設けた。イネは必須栄養素として多量のケイ素を茎葉部に蓄積する。地上部全量の持ち出しによりケイ素が土壌へ還元されないため、土壌のケイ素欠乏を誘発する可能性が指摘されている。そこで、平成31年(令和元年)の栽培直前に全品種でケイ酸施用区と無施用区を設けた。令和2~4年にも実験田でイネ3品種を栽培した。成熟期に穂、葉身、茎、根を採取し、部位別乾物重量を測定した。採取後、茎葉還元、根系除去、ケイ酸施用を処理した。 土壌養分動態モデルを検討する過程では、土壌採取、土壌養分測定、パラメータ推定、モデル検証を繰り返す必要がある。実験田の小区画から繰り返し土壌を採取すると、小区画が攪乱されて各処理の効果が消失してしまう懸念がある。そこで、実験田とは別にモデル検証田を用意し、気象計測装置、水位計、TDR土壌水分計、テンショメータを設置してコシヒカリを栽培した。生育期間中、土壌を採取て無機態窒素量を計測した。その後、測定値をモデルに投入しパラメータを推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍と重なったことで実験従事者が不足し大きく苦労したものの、何とか実験田の立ち上げとその後の維持管理を継続できた。植物体の成分分析が立ち遅れているものの、バイオマス収量の測定までは何とか継続している。また、土壌養分動態モデルの確立に向けてモデル検証田も用意し、得られた成果を公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度も引き続き実験田とモデル検証田を維持し、両田から得られるデータの公表に努めていく。本研究では「広大な生産現場にて根系がイネ収量に与える影響を検証する」ことも大きな目標の一つであった。しかし、調査対象として候補に挙がっていた農業生産法人における稲作経営方針の転換などで試験が困難になったため、実験田とモデル検証田での作業に専念する。
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Research Products
(9 results)