2024 Fiscal Year Annual Research Report
大規模森林操作試験による生物多様性と生態系機能の原因と帰結の探求
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23K20306
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 章 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90505455)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 健太郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (20322844)
佐々木 雄大 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (60550077)
小林 真 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60719798)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 生物多様性 / 生態系機能 / 生態系サービス / 森林生態系 / 多種共存 |
| Outline of Annual Research Achievements |
森林を対象とした基礎及び応用科学のニーズは高い。日本学術会議でも、持続可能な森林管理に向けた早急な対策と科学の在り方が強調されている。同様なニー ズは、国連の枠組下での森林原則声明をはじめ、繰り返し強調され続けている。2019年に、気候変動に関する政府間パネルが公表した「気候変動と土地関係特別報告書」の政策立案者向け要約版でも、より良い土地利用の在り方としての持続可能な森林管理が、気候変動対策に必須としている。森林に求める公益性は、木材生産だけではない。樹種多様化による森林の炭素隔離と貯蔵能力の向上は、気候変動の著しい今、社会にとって必須の生態系サービスである。多種多様な生物種からなる森林を維持し、持続可能に管理することの必要性が問われる今、炭素吸収源としての森林の役割を再精査する必要がある。
なお、生物多様性が生態系の機能性を高め、生態系サービスを維持するという事象に関する理論的知見は、草地試験地における多様性操作を中心に理解を深めてきた。一方で、数多の公益的機能とサービスを提供する森林生態系についての知見はまだまだ限定的である。多種多様な生物種からなる森林を維持し、持続可能な形で管理することの必要性が問われる今、さらなる知見の集積が求められている。
本研究プロジェクトでは、野外で樹木多様性を操作する植栽試験を大規模に実施している。とくに、多種共存メカニズムに着目し、自然のプロセスにより多様性が維持されている状況を再現したことに新規性がある。今後は、その結果としての一次生産等の生態系能性への帰結を評価することを計画している。得られるデータにより、「生物多様性が生態系機能を支えるメカニズム」の基本的な理解を得て、自然科学の理論に根差した森林管理の在り方を模索する。そして、この目的の達成のために、植栽実験地の維持管理、データ取得、また実験地の広く研究者や学生への公開利用を進める。
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