2021 Fiscal Year Annual Research Report
脳の液性成分ダイナミクスにおけるメカノセンサーチャネルPIEZOの役割
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20H03387
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野々村 恵子 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (70799246)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メカノセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、目的とする細胞種においてメカノセンシング分子を欠損させるために、当該細胞種においてCreを発現するマウス系統と、メカノセンシング分子のfloxマウスの掛け合わせを行い、コンディショナルノックアウトマウスの作成を行なった。ノックアウトが想定通りに起こっているかを検証するために、マウスから組織を回収し、RNAscopeによりmRNAの発現レベルについて解析を行なった。その結果、mRNAの残存量が個体によって非常に大きなばらつきがあることが判明した。すなわち、本Creマウス系統を用いて、遺伝型だけからどのマウスがノックアウト動物に相当するかを判断することが不可能な状態であった。このマウス系統ではCreのプロモーターである遺伝子が、発生過程の特定のステージで発現し、生後発達段階になると発現量が低下することが知られており、これがマウス個体間でノックアウト効率が大きく異なった原因であると考えられる。そこで目的とする細胞種でCreを発現する別のマウス系統を導入し、メカノセンシング分子のfloxマウスの掛け合わせを行った。上述と同様にマウスから組織を回収し、RNAscopeによりmRNAの発現レベルについて解析を行なったところ、こちらのマウス系統では、mRNA量の十分な低下が起こっていることを確認した。そこで、今後の解析についてはこちらのCreマウス系統を用いることとした。これに加えて、メカノセンサータンパク質の組織内分布を調べるために、蛍光タンパク質によってラベルしたレポーターマウス系統の組織に対して免疫化学染色を実施し、解析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたCre系統では、目的とする細胞種において注目するメカノセンサー分子のノックアウトが十分できないことが判明した。このため別のCre系統への切り替えを行なった。これにより、本研究の今後の実施に必要なノックアウトマウスを得るまでに予定よりも期間を要したため、本研究については進捗は予定よりもやや遅れている。ただし、別のCreマウスへの切り替えにより、ノックアウトが目的通りに実施できるマウスを得ることはできている。
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Strategy for Future Research Activity |
目的とする細胞種においてノックアウトを実施するために、別のCreマウス系統に切り替え、こちらでは目的通りのノックアウトが実施できることを確認した。今後はこちらのCreマウス系統を用いて当初の計画に従って研究を遂行する。
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