2022 Fiscal Year Annual Research Report
脳の液性成分ダイナミクスにおけるメカノセンサーチャネルPIEZOの役割
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20H03387
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野々村 恵子 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (70799246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 俊彦 基礎生物学研究所, 初期発生研究部門, 教授 (80301274)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メカノセンサー / PIEZO |
Outline of Annual Research Achievements |
生体臓器の機能や発生には機械的な要素の変動が大きく関わっていると予想されるが、生体組織がこのような機械的な要素の変動にどのような機構を用いて対応しているのかは多くの部分が未だ不明である。本研究の目的は脳の液性成分ダイナミクスにおけるメカノセンサーチャネルPIEZOの役割を明らかにすることである。2021年度までに目的とする細胞種においてPiezoをノックアウトするためのCreマウス系統の選出を行なった。当初予定していたCre系統では十分なノックダウンが得られなかったが、別Creマウス系統により十分なノックダウンが起こることが確認された。2022年度は、このコンディショナルノックアウトマウス系統を用いて、表現型の解析を行なった。その結果、ンディショナルノックアウトマウスについて致死性を確認した。そこで致死性がどの発生ステージで生じるのかについて、タイミングを遡って解析を進めている。並行して、これらの発生ステージ前後で脳の液性成分ダイナミクスにどのような変化が起こるか、先行研究について調査した。それらから本研究で用いているコンディショナルノックアウトマウスの致死性の原因となりうる脳の液性成分のダイナミクスの異常について複数の仮説を立てており、これらの仮説について検証を行うための系の検討を行なった。また、コンディショナルノックアウトマウス系統について組織学的な解析を実施した。またRNAシークエンス解析を実施するためにRNAの回収量や品質について検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は本研究で作成したコンディショナルノックアウトマウスについて、致死性という表現型を見出した。致死性は特定の発生ステージで起こっている可能性が高く、そのタイミングにおける脳の液性成分ダイナミクスの制御について具体的に検証可能な仮説を得て、検証のための準備を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度見出したコンディショナルノックアウトマウスの致死性の原因となる異常について、メカノセンシングと関連する仮説を立てており、これらについて実験的に検証を進める。
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