2020 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症ならびに疲労愁訴を伴う疾患における,AIを用いた筋疲労の定量評価
Project/Area Number |
20H03878
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
皆木 省吾 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80190693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40294459)
中原 龍一 岡山大学, 大学病院, 助教 (30509477)
兒玉 直紀 岡山大学, 大学病院, 講師 (70534519)
萬田 陽介 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60794477)
沖 和広 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00346454)
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | EMG / 疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部における口腔顔面痛ならびに頭痛の複雑症例においては、疲労の評価は鑑別診断を格段に進歩させる指標となり得る。また,全身的な筋疲労を評価することは他の疾患の診断や治療方針の決定にも大きく寄与すると考えられる。研究代表者らは、これまで顎関節症患者に関して蓄積してきた高精度24時間連続筋電図記録において、特徴的な波形を検出したためこれを定量化することによって新たな筋疲労度の定量化因子となると考え、機械学習を用いた解析システムの開発を進めてきた。令和2年度には、ワークステーション上での環境構築を行った。また、AI解析の方法としてNeural Network Consoleを使用して、疲労データの自動解析を試行した。この試行解析は良好に実施することができ、一定の成果を上げているが今後さらに検出精度を高める方向で改善を行うことが必要である。さらに、日常生活環境におけるデジタルノイズサンプルの収集を実施している。このデジタルノイズサンプルは、種々の電子機器等から発生するデジタルノイズであり、筋電図計測装置を利用して種々のデジタルノイズを収集するものである。デジタルノイズはそれぞれの機器の置かれた環境に応じて変化するものであり、すでにこのようなデジタルノイズを発生させる特徴的な環境の一部を明らかにしている。このようなデジタルノイズはAIを用いた解析においては大量の蓄積が必要となるものであり、現在も蓄積を継続しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疲労時に見られるGD 波形について、AI による学習のための教師データの作成には専用のプログラミングが必要であるが、現在、同プログラミングは順調に進行中であるため。また、AI教師データとして必要となるデジタルノイズデータの収集も進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
AI解析について、Neural Network Consoleを用いて解析を進めると同時に、AI研究の時流に適合するようにPytorchを用いた解析システムの構築も始める予定である。 さらに、顎口腔機能関連筋群ならびに四肢筋を用いて、実験的負荷を与えることによって筋疲労を誘発し発生する筋電図を採得する。実験的負荷に関しては負荷条件を厳密にコントロールすることによって疲労波形の発現に寄与する条件を詳細に検討する。 また、日常生活環境におけるデジタルノイズの発生源は多岐にわたるため、これまで収集していたデジタルノイズサンプルに加えて、発生源となるデジタルデバイスの数を増してデジタルノイズサンプルデータベースを豊富にする。 以上によって、これまで行ってきた機械学習を更に発展させると同時に、本AI学習に適したデータセットの拡充を行う。
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