2022 Fiscal Year Annual Research Report
患者報告アウトカム・QOLの科学的評価手法確立-基本理念に基づく検証と応用実践
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20H03905
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60362472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下妻 晃二郎 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00248254)
齋藤 信也 岡山大学, 保健学域, 教授 (10335599)
内藤 真理子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (10378010)
宮崎 貴久子 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (70464229)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | QOL / 健康関連QOL / 患者報告アウトカム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1)QOL(生活の質)/PRO(患者報告アウトカム)指標が表す内容およびスコアが当事者にもつ意味を改めて明らかにすること、および、2) 多様な評価場面・評価目的・評価方法でのQOL/PRO評価の応用の可能性と実施上の課題を明らかにすることを目的として、4つのプロジェクトを遂行している。 プロジェクト①(QOL概念の再確認):前年度に実施したQOL概念の再確認のための全国調査の解析を実施した。過去のデータとの単純比較解析および構造の解析を継続実施している。 プロジェクト②(希少疾患QOL/PRO尺度開発):コロナ禍の影響によりウルトラロービジョン者を対象としたインタビュー調査を延期していたが、直接面談が厳しい状況が続いたため、対象疾患を変更することを決定し、子ども・若者のロービジョン者を対象とした尺度開発を進めた。文献レビューにより海外で使用されている尺度から本邦の実情に即した尺度を選定し、国際的なルールにのっとった手順で翻訳する作業を終えた。認知デブリーフィングと妥当性検証のための調査の研究計画を立案し、倫理委員会の審査を終えた。 プロジェクト③(医療資源配分への応用課題):医療経済評価に使用されるインデックス型QOL尺度は基本的には健康度に特化しており、医薬品や医療技術そのものの評価はできても、社会福祉的ケアの評価には向いていない。こうした分野までカバーできるとされるEQ-HWB(Health and Well-being: 健康と幸福度)尺度の日本語版を用いて、一般人3057人を対象に調査を行い、結果を解析中である。 プロジェクト④(プラットホーム整備):昨年度実施した口腔関連QOL指標GOHAIの国民標準値調査のデータから過去の標準値との比較を行った。また、国際QOL研究学会と連携して開始した、QOL Dictionaryの日本語版作成プロジェクトを継続実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で行っている4つのプロジェクトのうち3つは、おおむね順調に進んでいる。プロジェクト②については、コロナ禍の影響を受けてインタビュー調査を延期していたため、遅れが生じた。直接面談が厳しい状況が続いたため、本年度途中で対象疾患の変更を決定し、プロジェクトを再スタートした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度再スタートしたプロジェクト②では、すでに尺度の選定、翻訳作業を終え、倫理審査を経て、次年度は認知デブリーフィング調査と妥当性検証調査を実施する予定である。次年度と次次年度で、遅れを取り戻せることを見込んでいる。 他のプロジェクトにおいては、予定通り進める。
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Research Products
(1 results)