2023 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管のin vitroモデル構築とリンパ浮腫治療法開発の基礎研究
Project/Area Number |
20H03959
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中島 由加里 金沢大学, 保健学系, 助教 (40846680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖彦 金沢大学, 医学系, 教授 (20313637)
中谷 壽男 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (60198124)
向井 加奈恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30755335)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 集合リンパ管 / 3次元培養 / 迂回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、6月1日から10月27日までの約5ヶ月間、本研究を実施した。2023年10月30日から2024年8月31日までは、産休・育休に伴い、本研究を中断する。 今年度、リンパ管のin vitroモデル構築のために購入した3Dバイオプリンター(Cellink社,BIO X)を用いて、リンパ管のin vitroモデル構築を行う予定であったが、研究期間が5ヶ月と限られていたため、培養実験を行うことが難しく、予定を変更し、動物実験を進めた。 実施した内容は、Balb/c雄マウスを用いて、腹壁の集合リンパ管を切断後、切除した腹壁の集合リンパ管部位に、新しく集合リンパ管が新生するか、新生する場合はどのくらいの期間で新生するか、新生しない場合は迂回路がどのくらいの期間で出現するかについて、検討した。その結果、切除した腹壁の集合リンパ管の新生は見られず、切除部位を避けるように迂回路が出現した。この迂回路は、腹壁の集合リンパ管切除後、早いマウスでは7日目に出現した。10日目にはほとんどのマウスで迂回路が出現していた。また、集合リンパ管切除部位周囲にリンパ管新生を促進する成長因子(VEGF-C)を投与しても、切除部位に集合リンパ管が出現することはなかった。これらの結果より、マウス腹壁の集合リンパ管切除後、切除した部分に集合リンパ管は新生せず、切除後10日目以降の切除部位に、VEGF-Cを含むリンパ管新生因子を投与することで、in vivoで集合リンパ管新生を検討するモデルとして使用できる可能性が示された。 本研究によって、リンパ管新生を促進する内的・外的因子を明らかにすることで、生体内でのリンパ管形成誘導を可能とし、リンパ浮腫発症予防・根治的治療法の確立に寄与することに繋がると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験によって、in vivoでの検証の実験系に目処がついた。残りの研究期間で培養実験を行い、in vitroで集合リンパ管形成に関わる因子を同定し、研究期間内にin vivoで検証することは可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度から2025年度前半は、培養実験を行い、in vitroで集合リンパ管形成に関わる因子を同定する。2025年度後半は、同定した因子を用いて、in vivoで集合リンパ管新生が促進されるかマウスを用いて実験を行う予定である。
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