2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a regional comprehensive patient support system with exercise therapy continuation and mental health function for dialysis patients
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20H03982
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
大川 明子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20290546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 奈津美 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (50823960)
関根 由紀 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60549096)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遠隔看護 / 在宅看護 / 運動 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請者らはこれまでに、患者が地域で活躍しながら医療支援を受けられる地域包括的支援システムを構築してきた。本研究ではまず、この地域包括的な支援システムに透析患者が意欲を持って安心して透析を受けられる支援システムを付加・連結構築し、さらに、運動療法器具も付加した。そして、器具の利用度を既構築システムに送信できるようにした。これによって患者の日々の運動量をシステム内に蓄積できるため、患者の運動量を透析日、非透析日を問わず、患者や医療従事者が把握できるようにした。 本構築支援システムは血液透析患者のみならず、夜間腹膜透析患者にも利活用が可能で、その情報も医療従事者と共有できるようになるので、患者の安心感も増す。効果としてはICT(Information and Communication Technology)を利活用することで、運動量のデータの共有や、グラフ化による視覚的な変化の把握・理解ができること。また、運動量の入力の利便性を高めるためのアプリケーションソフトウェアの検討をおこなった。 これらの結果、透析患者が前向きに運動をおこなうには、運動量の可視化と「ご褒美」とがあると、透析日、非透析日を問わず継続できるのではないかとの結論に至った。また、これらの運動量を患者も医療機関側も共有できるようにすることも大切であるとの結論にも至った。さらに、患者が運動量を入力する際、簡便になるように運動量の入力の利便性を高めることもシステム構築に含めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(2020年度)には主として、透析のプロトタイプシステムの支援項目に運動機能を設計し、プロトタイプ機(ペダルエクササイズマシーン)を作製した。また、システムのソフトウェアをクラウドタイプに設計変更して、いつでも、どこからでも本支援システムの利用を可能にした。すなわち、透析患者がおこなう運動マシーンとその運動相当量を蓄電できるハード面の構築と、それらの数値を既構築システムに取り込む簡便なソフトウェア面の構築をおこなった。その上で、研究者全員が模擬患者となって試行をおこなった。その際に見出された主に既構築システムのソフトウェアの充実を目指した変更点やプログラムの不具合を解消するための改良点である患者の運動量の入力や医療機関側での運動量把握の煩雑さが明らかとなった。このため、運動療法の追加機能と従来機能との、より操作性の向上に向けたシステム全体を再構築をおこない、新たなクラウド環境とプログラムの変更をおこなうことにした。 システムの変更に伴う問題点をあぶり出して変更をおこなう予定であったが、システムのアプリケション開発の人材不足から、開発の進捗がおくれたために、繰り越しの必要が生じ、申請後に認められた。 今年度はアプリケーション開発をおこなうことができ、透析患者の運動量のシステムへの入力の利便性が向上するようになると考えている。また、透析日、非透析日に依存しない形で、透析患者の運動を支援できるシステムとなり得るとも考えている。さらに、これらの運動量は患者も医療機関ででも共有できるようになる。また、患者には自身の運動量が可視化されて分かるようになり、「ご褒美」も受け取れるようになると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本構築システムはICT(Information and Communication Technology)を利活用して、透析患者がいつでもどこからでもシステムを利用でき、その患者家族や医療スタッフを含めて支援しようとするシステム構築を目指している。2021年度には透析のプロトタイプシステムの支援項目に運動機能(ペダルエクササイズマシーン)を組み込んで、クラウドタイプのデータベースシステムとし、いつでも、どこからでもシステムの利用を可能にした。 しかし、患者が運動量を入力する際に、煩雑な手順を踏まなければならない事が判明したために、システムのアプリケションの再開発が必須となる中で、新規で透析患者が運動量を簡便に入力できるアプリケーション開発が、人材不足から間に合うか否かが懸念事項であった。ところが、新たにLINEアプリを構築することで、患者が自身のスマーフォンから簡便に入力できる見通したたったので、この懸案事項も解決の見通しをえた。 今後は、LINEアプリによる患者の運動量の入力を試行し、医療機関でのデモもおこない、医療従事者からの本構築システムの運用に関する意見も聴取する。さらに、これらの本構築支援システムに関して、研究者間でさらなる検証をおこない、患者や医療従事者にとって、より利便性・ユーザビリティの高いシステム構築の検討を重ねるとともに、フィールドテストができるように準備を進める。
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