2021 Fiscal Year Annual Research Report
肉離れ受傷リスク予測モデル構築に向けた骨格筋・腱の特性を規定する遺伝要因の解明
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20H04081
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮本 恵里 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 助教 (00793390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 祐治 順天堂大学, 医学部, 教授 (00407280)
宮本 直和 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (20420408)
西尾 啓史 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 非常勤助教 (90866906)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 腱 / 材料特性 / SNP / 肉離れ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、骨格筋や腱の機能的特性(スティフネスなど)を規定する遺伝要因が肉離れの受傷しやすさに影響しているという仮説を検証することにより、「肉離れに対する遺伝的リスクの予測に必要な遺伝情報を同定すること」および「個人のリスクに合わせた肉離れ予防策構築のための学術的基盤を創出すること」を目的としている。令和3年度は、令和2年度に引き続き「研究課題①:ヒト生体における骨格筋のスティフネスを規定する遺伝子多型の同定」および「研究課題②:ヒトの摘出筋・腱における組織特性と遺伝子多型の関連性の検討」という二つの研究課題に取り組んだ。 研究課題①では、355名の若年成人男女を対象に、超音波剪断波エラストグラフィーにて測定した骨格筋のスティフネスに対する全ゲノム関連解析を実施した。その結果、11番染色体上に大腿二頭筋長頭のスティフネスに有意に関連する領域が二つ同定された(p < 5×10-8)。 研究課題②では、ACL再建手術を受ける患者を対象とし、手術時に通常破棄される半腱様筋の余剰筋および腱の検体採取と、ゲノム解析用の血液採取を行った。これまでに85例分の骨格筋、腱、血液検体の採取を終了し、血液検体より総DNAの抽出を行った。①により同定された領域の遺伝子多型と骨格筋中の網羅的な遺伝子発現プロファイルの関連性を検討した。その結果、筋スティフネス関連遺伝子多型と骨格筋中の細胞外マトリクス関連遺伝子群の発現レベルに有意な関連が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響により、「研究課題②:ヒトの摘出筋・腱における組織特性と遺伝子多型の関連性の検討」の推進に必要な研究協力者の参加が一時的に困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究課題①および②より明らかとなった筋スティフネス関連遺伝子多型が、アスリートの肉離れ受傷リスクと関連するか否かを検討し、肉離れに対する遺伝的リスクの予測に必要な遺伝情報の同定を試みる。さらに、同定された遺伝子多型の作用機序を検討することで、個人のリスクに合わせた肉離れ予防策構築のための基礎的知見を得る。
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Research Products
(4 results)