2022 Fiscal Year Annual Research Report
Interaction between Windkessel Function of the Proximal Aorta and the Brain Hemodynamics
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20H04086
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菅原 順 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (00357261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樽味 孝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40825858)
柴田 茂貴 杏林大学, 保健学部, 教授 (90636474)
平澤 愛 杏林大学, 保健学部, 学内講師 (30459945)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知症 / 加齢 / 運動トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症は要介護の主要因であり、発症リスクは加齢に伴い増大する。超高齢社会を迎えた本邦において、認知症の発症予防は健康の保持・増進、QoL の向上、さらには高騰する医療費・介護費抑制に直結する火急的課題である。これを踏まえ、「リスク・モニタリング」及び、運動・身体活動を主体とする生活習慣改善による「リスク・リダクション」という観点から、認知症の発症予防に資する知見を集積する。実施課題は「発症リスクを早期に検出できる鋭敏なリスクマーカーの探索」及び「リスク軽減のための運動トレーニング効果の検証」とし、後者では「中年者を対象とした高強度インターバルトレーニング」と「高齢者を対象としたマルチタスク・トレーニング」の効果検証を行う。 近年、高強度インターバルトレーニングの有用性が注目されているが、一過性運動中の脳循環動態の変化が脳構造にどのような影響を与えるかは十分明らかでない。そこで本年度は、安全性の面から、一過性の高強度インターバル運動中の中心循環制御機構の解明に取り組んだ。大動脈血流・血圧が中大脳動脈に至るまでの拍動性血行動態の伝達を周波数解析により明らかにした。その結果、高強度インターバル運動中に左心室からの血流駆出が増大し、近位大動脈における拍動性血流は増強されるものの、中大脳動脈に至るまでの過程において、緩衝されることが明らかとなった。このことは、過大な拍動性血流変動が脆弱な脳組織及ぼす物理的負担を軽減している可能性があることを示唆する。 また、認知症発症リスク同定のためのより精度、鋭敏性の高い予測・診断マーカー特定のため、末梢動脈圧波形から頸動脈圧波形を推定する伝達関数の開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一過性の高強度インターバル運動中の中心循環制御機構の解明のデータ解析を終了し、論文投稿を済ませた。 認知症発症リスク同定のためのより精度、鋭敏性の高い予測・診断マーカー特定にあたり、末梢動脈圧波形から頸動脈圧波形を推定する伝達関数の開発を進めた。これが完成すれば、すでに所得済みの臨床データの解析が飛躍的に進むと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
中高年者を対象とした高強度運動トレーニング介入の成果の論文化を進める。また、中高年者を対象としたマルチタスク・トレーニング介入実験を実施する。
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