2021 Fiscal Year Annual Research Report
A unified framework of human motor control and learning
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20H04089
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
瀧山 健 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40725933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 晋一 上智大学, 上智大学, 准教授 (20509690)
進矢 正宏 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (90733452)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 身体運動科学 / 運動制御 / 運動学習 / 野球 / 投球動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動制御と運動学習を統一的に理解する枠組みの提案に向けて、本年度は十分に訓練を積んだ被験者を対象として、投球動作における筋活動を解析した。具体的には、ハイレベルな大学野球チームの投手や元プロ野球選手を対象として、50%, 80%, 100%のエフォートで同一のターゲットに向かって投球動作を行ったときの筋活動を解析した(Hashimoto+, 2021)。投球動作は各投手で投球フォームが異なるため、各被験者ごとに3種類のエフォート条件を混ぜて筋活動に対してテンソル分解を適用した。その結果、50%とそれよりも高いエフォート(80%と100%)を分類する次元が第1に存在すること、さらに80%と100%を分類する次元が第2段階目としてあることを発見した。さらに、これらのエフォート条件を分類する次元に注目して被験者間の違い・共通成分を検証することにより、50%から80%へとエフォートを上げる際には、投手間で共通の傾向(各筋肉の動員の仕方や活動のタイミング)があることを明らかにした。その一方、80%から100%へとエフォートを上げる際には、投手間では共通の傾向は存在しないことを明らかにした。これらの結果は、80%のエフォートで投球する際には各ピッチャー間で共通したコーチング方法が存在すること、そして100%のエフォートで投球する際にはピッチャー間で共通したコーチング方法は存在しないことを示唆している。加えて、運動学習と運動制御の統一的な枠組みを考える際に、どの条件で個人差が現れるのか、どの条件では共通した特性が現れるのか、という個人差と実験条件を慎重に考える必要性も明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動制御と運動学習を統一的に理解する枠組みの提案に向けて、本年度はスポーツ動作へと適用可能な枠組みを模索した。その結果、歩行走行動作における筋活動を解析した手法と同じテンソル分解により、スポーツ動作特に投球動作の解析が可能であることが明らかになった。すなわち、歩行動作など日常的な動作に近くリハビリテーションへの応用を目的とする動作に着目してその解析方法を提案することで、スポーツ動作への応用が可能であることを示した。すなわち、提案する手法の汎用性の広さを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はハイレベルな投手を対象とした筋活動解析を行った。すなわち、すでに十分に学習を行った被験者を対象とした解析に過ぎない。本解析を野球を始めたばかりの投手、練習して1年ほどの投手、など各ステージごとの投手に適用することにより、運動学習が運動制御に与える影響を検証できることが来たできる。さらに、投手の中にはイップスを罹患し、思うように投球できない人もいる。イップスを罹患した投手を対象にすることで、適切なイップス治療法の確率が期待できる。
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Research Products
(2 results)