2020 Fiscal Year Annual Research Report
Robust quasi-Hamiltonian Monte Carlo Methods
Project/Area Number |
20H04149
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
鎌谷 研吾 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (00569767)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Monte Carlo / Bayesian Statistics / Markov chain / Hamiltonian |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナウィルス感染症の影響から、本事業を繰り越しして研究を行った。当初昨年度に予定していた国際会議はオンライン開催で本年度の開催になった。招待セッションの提案や、積極的な国内外のオンラインセミナーへの参加など、コロナ禍での研究交流スタイルの構築を進めた。 研究では、柔軟な疑似ハミルトニアンにより、過去の研究の統一的理解と、それを用いた発展を目指した。予定していた3つの方向性で進展をまとめる。 まず第一に、多様体にマルコフ連鎖モンテカルロ法を構築した。データ解析は様々な場面で多様体をパラメータ空間として扱う。最近は、旧来の低次元な多様体ではなく、高次元で複雑な多様体に関心が移っている。ハール測度を利用した、行列の観点から自然な手法を提案し、欧文誌に採択された。また、非対称なマルコフ連鎖モンテカルロ法への拡張も可能であることもわかった。 第二に、ノンパラメトリックなベイズ統計におけるモンテカルロ法を構築を目指した。この観点での進展は不十分であった。 第三に、区分的確定的マルコフ過程 (Piecewise deterministic Markov process)の解析を行った。近年は区分的確定的マルコフ過程 を利用したモンテカルロ法、いわば、マルコフ過程モンテカルロ法がベイズ統計学におけるホットトピックである。柔軟な擬似ハミルトニアンを計算することで、計算負荷をさらに軽減できることが期待される。具体的には、理想的な仮定のもと、次元数の二乗であった計算コストを、線形なコストまで減らせると期待している。本研究のコアの部分の研究や数値実験が進み、次年度での完成を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウィルスでの繰り越しが行われていることによる研究の遅れは深刻であるが、繰り越しを行い、当初目標にしていた三つの方向性について、一つは大きな進展がなかったものの、残りの二つは順調に進み、さらにそのうち一つは完成を見た。そのため,繰り越しでの事業の後ろ倒しは行われたものの、そのうえでおおむね順調に進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルス影響下で研究が常に後ろ倒しになっているものの、次第にその影響も軽減されていくと思われる。次年度は限定的ながら、オフラインの国際交流が可能だと思われる。とくに当初本年度に予定していた複数の会議のうち、最重要である、年度末のベイズ計算の国際会議はオフライン参加が可能であると期待される。また、国内やアジア地域でのより強いネットワーク構築も進めたい。 今後はまず行列値のマルコフ連鎖モンテカルロ法のさらなる発展と、完成の近い区分的確定的マルコフ過程の柔軟な疑似ハミルトニアンを用いた研究を進める。ノンパラメトリックなベイズ統計における手法の研究も進めたい。
|
Research Products
(5 results)