2022 Fiscal Year Annual Research Report
安全・高信頼ソフトウェアシステムのための高階・型付き・並行プログラミング言語理論
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20H04161
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
住井 英二郎 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00333550)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プログラミング言語理論/プログラム理論 / 高階・並行・分散計算 / 型システム / 関数型プログラミング/関数型プログラミング言語 / プログラミング言語理論に基づくセキュリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は以下のとおりであった。現代社会の基盤をなす科学技術である情報処理システム(いわゆる計算機プログラムを基礎とするが、それに限らず、より幅広い意味でのソフトウェアシステムを含む。)の安全性・信頼性ならびに生産性を高めるため、数理論理学に基づいてシステムを記述し正しさを検証するプログラミング言語理論を発展させ、狭義のプログラミング言語のみならず、より一般的な計算モデルにおける広義の「プログラム」としてのシステム記述に用いる。特に、最近の発展・普及が目覚ましい、高度な型システムや高階(higher-order)および並行(concurrent)・分散プログラムないしプログラミング言語に関する理論の研究を行う。 当年度は以下を含む研究を研究協力者らとともに、他の研究とも連携して行なった。 ・先進的かつ実用的なプログラミング言語として産業界の技術者にも注目され普及している「Rust」の最も特徴的な機能である「所有権」(ownership)にもとづくメモリ管理について、既存のRustの所有権検査器(borrow checker)および参照カウント(Rc)オブジェクトでは静的(コンパイル時)検査も動的(実行時)検査も十分でないケースを考え、そのような場合でも静的検査と動的検査を適切に組み合わせて安全かつリークを防ぐ、分数的(fractional)所有権にもとづくメモリ管理方式を提案・実装した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度と同様の理由に加え、当年度は教育(学生指導)の負担も極めて大きかったが、バイアウト等の制度を活用して改善の方向にある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きバイアウト等の制度を活用して、研究時間の確保に最大限努力しつつ、遅れてはいるが当初の計画に沿って研究を遂行する。
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