2021 Fiscal Year Annual Research Report
High-Performance Optimization Algorithm based on Machine Learning and Search
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20H04251
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
美添 一樹 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (80449115)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | グラフ探索 / 並列アルゴリズム / 機械学習 / 化合物探索 / 組合せ最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナの影響による計画変更があり、研究環境の構築が一部遅延していたが、最終的には計算機環境などを整えることができ、また国内の研究者との打合せなども行ったことで、計画変更の影響を警備にとどめることができた。特に機械学習を用いた探索アルゴリズムについて、GPU計算機を整えたことにより、化合物への機械学習などの研究を遂行している。 グラフ探索アルゴリズムを大規模並列計算機(スーパーコンピュータ)上で効率良く動作させることは、実装とアルゴリズムの両面で困難な課題と思われており、実際に実問題で性能向上を得ている例は極めて少ない。我々は大規模並列グラフ探索アルゴリズムを機械学習手法と組み合わせて用いるアルゴリズムを提案した。提案した手法である MP-MCTS アルゴリズムは、256並列まではほぼ理想的な並列化効率を得ており、さらに1024並列でも良好な性能を達成した。 また、モンテカルロ木探索 (MCTS) を用いる場合にサンプリングで評価を行うが、化合物のサンプリングに適した機械学習手法としてグラフニューラルネットワーク手法を改良した Graph Energy-Based Model を提案した。これは化合物をグラフとして表現した上で、グラフ構造の一部を固定し残りの部分のサンプリングを可能とするもので、良好な予測性能を保ちつつ探索アルゴリズムとの組み合わせが容易になるという利点がある。 本研究計画の中でも重要な応用である新規化合物発見について、並列化合物探索ライブラリChemTSv2の開発は順調に継続中であり、性能と利便性を向上させたツールとして提供している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナの影響で調達が遅れ、特に機械学習関連の研究環境の整備が遅延したことで計画変更の必要があったが、最終的にはほぼ当初の計画通りの研究環境が得られた。当初の計画の重要な要素であった機械学習と探索アルゴリズムの組み合わせについては、特に化合物探索に関する応用で良好な性能を得ている。本年度および計画変更による延長期間においては、実際の性能向上に主に注力したことで、利便性と性能の両立にかなりの成功を得た。特に、大規模並列計算機上で効率良く動作するグラフ探索を簡単に利用可能な形態で提供している例は極めて少なく、中でも実問題に対して良好な性能を得ている点で独自性もあり、良好な成果を得たと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
化合物探索を行う際に化合物をスコアづける方法として、現在我々は、1, 計算に時間を要するが正確な評価を得られる計算化学シミュレータ、2, 高速に計算可能だが精度には劣る機械学習モデル、の2種類を得ている。これらを併用した探索手法を確立することでさらに探索アルゴリズムの性能向上が得られると期待される。この状況は化合物探索に限定されない一般的な物であるため、探索アルゴリズムの応用において大きく貢献することが期待される。
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Research Products
(2 results)