2022 Fiscal Year Annual Research Report
Rohingya Refugee Camp and Resource Sustainability: Forest and Farmland Management by Tribal People and Evaluation of Environmental Impacts
Project/Area Number |
20H04394
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
東田 啓作 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10302308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30633474)
高橋 遼 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (40748349)
樋口 裕城 上智大学, 経済学部, 准教授 (60757269)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ロヒンギャ難民キャンプ / 環境評価 / 森林管理 / コミュニティ形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)2020年度および2021年度に実施した経済実験とアンケート調査のデータ分析について、(i)2021年度に行った予備的分析に基づき、(ii)2021年度に実施した衛星画像を用いた森林資源量データをマージしたうえで、下記の通り精緻化した。 (i) ロヒンギャ難民キャンプ周辺住民(コックスバザール県)、およびチッタゴン丘陵地帯(バンダルバン県)の住民の森林保全への支払意志額に「居住地とキャンプとの距離」が影響を与えていることを明らかにした。これは住民感情の分析とも一貫性がある。また、他にも「居住地周辺の森林状態の変化」、「教育水準」、「宗教」などが支払意志額に有意に影響を与えていることが明らかとなった。 (ii) ロヒンギャ難民流入に伴って地域住民の彼ら・彼女らに対する感情の変化に対しても「居住地とキャンプとの距離」が有意に影響を与えていることを明らかにした。この分析については、ロヒンギャ難民の大規模流入以前にバングラデシュ政府が行っていた世帯調査のデータも利用することで、因果関係を明らかにした。 (2)ロヒンギャ難民流入に伴う地域住民の感情の変化についての分析結果に関する論文を執筆し、その結果を広く発信するために複数のコンファレンスや学会で報告を行った。 (3)ロヒンギャ難民と周辺住民との相互理解を進め持続可能な社会経済の仕組みを構築するために、どのような手法が効果的かを明らかにするための社会実験のデザインを行った。そのうえで、実際に実施するためのゲームの構築を行い、動作確認のためのプレテストを完了させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に計画していた「経済実験とアンケート調査から得られたデータの分析」、および「社会実験のデザイン」を終えた。さらに、複数の論文執筆を行い、広く発信するために海外および国内のコンファレンスで報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
過去のホストコミュニティの住民感情の変化、自然環境の変化、および環境に対する認識の聞き取りと分析を終えていることから、分析の精緻化、論文執筆を行う。また、悪化した住民感情を改善するプロセスや制度の探索に着手し、それを明らかにするための社会実験を実施する。
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Research Products
(7 results)