2022 Fiscal Year Annual Research Report
Social Structure of Russia from the Angle of Social Capital
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20H04404
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
溝端 佐登史 京都大学, 経済研究所, 特任教授 (30239264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 和穂 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (10537286)
Gorshkov Victor 新潟県立大学, 国際経済学部, 准教授 (10742322)
林 裕明 立命館大学, 経済学部, 教授 (30336903)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 国家主導性 / ロシア / 社会構造 / 制度 / 人的ネットワーク / 信頼 / 企業社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年1月に実施した日本での調査、同年2-3月に実施したロシアでの調査に基づいて、ロシアにおけるソーシャル・キャピタルの構造分析を共同研究として実施した。同時に、日ロのソーシャル・キャピタルの国際比較研究もまた行った。当該の研究成果は、第17回欧州比較経済学会(2022年9月)、ベトナム社会科学アカデミー附属東北アジア研究所主催国際シンポジウム(2022年9月)、AECF(Asian Economic Community Forum、2022年11月)といった国際学会でパネルを設置するなど、試論ベースの研究を含め、共同で研究報告を行った。関連して、国内の学会においても研究成果の公表に努めた。なお、外国人共同研究者の参加を確保するため、オンラインによる科研費研究会を4回、対面での研究会を2回開催し、研究成果の公表方法および論文作成を検討した。主に、ソーシャル・キャピタルを所得、地域および年齢階層から分析した。 ロシアのウクライナ侵攻という戦争状態に直面し、ソーシャル・キャピタルの理論的な基盤になる国家主導資本主義の研究についても本研究課題にかかわらせて実施し、図書の形で研究成果を公表した。共同研究者全員が国家主導性を理論的・実証的に検討し、ソーシャル・キャピタルに国家が強く影響していることを明らかにしている。また、この課題で国際学会および国内学会で研究報告を行っている。 当初はプロジェクトのメンバーでロシアを訪問し、研究交流、国際学会への参加を構想していたが、戦争状態から直接のコンタクトは難しくオンラインによる招待講演だけにとどまった。 なお、本年度は、MAER-Net Colloquiumをはじめ、コンファレンスの開催にも力をいれ、関連する分野の多くの研究者との研究交流を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度終了間際での大規模な社会調査を本来適切にデータベース化し取りまとめ、そのあとに詳細な分析を行うことが求められようが、ロシアの侵攻という焦眉の事態の分析にもつながることと国際学会での報告のタイミングを考慮して、共同研究者によって研究報告を優先させた。このため、取りまとめがやや遅れたように考える。 また、ロシアの侵攻は当初現地での調査、聞き取りなどを行うことで研究成果を確かなものにする予定であったが、渡航の制約から十分ではなかった。ただし、オンラインによりできる限りの研究打ち合わせは行うことができた。 ソーシャル・キャピタルの研究そのものよりも本年度は「国家主導資本主義」の構造分析を共同研究者によって総合的に行うことに重心を置いたが、その点では多くの成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
ロシアにおけるソーシャル・キャピタルの社会調査は継続して行うことが重要で、次年度に再度の調査を予定している。その成果をもとに、ソーシャル・キャピタル研究は、ロシア社会の構造を析出するという課題だけでなく、日本との比較、異時点(2022年と2024年)の比較、新型コロナ感染症に対する社会の対応、さらにウクライナとの戦争下でのソーシャル・キャピタルの特質といった課題を検討する。 課題の社会的重要性を考慮し、社会調査結果をデータベース化し、国際的に公共利用可能なように世界の公表に強めたい。そのために、いち早く、調査結果を外国語で公表することが求められる。 研究成果を引き続き国際学会を中心に公表するとともに、共同研究成果として論文の形での公表にも努める。
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Research Products
(58 results)