2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Historical Study of Global Migration, Flora and Fauna Exchange of Modern Japanese Period
Project/Area Number |
20H04413
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
根川 幸男 国際日本文化研究センター, 研究部, 特定研究員 (40771506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 佑輔 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (30632591)
稲賀 繁美 京都精華大学, 国際文化学部, 教授 (40203195)
鵜戸 聡 明治大学, 国際日本学部, 専任准教授 (70713981)
橋本 順光 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (80334613)
西野 亮太 名古屋大学, 法学研究科, 特任助教 (30930870)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近代日本人 / グローバル移動 / 動植物交換 / 航路体験 / 文明史的意味 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度までに構築した成果とネットワークを活用し、国内調査、海外の研究協力者を通じた現地調査、デジタル媒体による調査を進めることができた。また、5月、7月、12月にオンライン研究会を実施し、研究分担者と研究協力者の最近の研究動向とともに調査結果の情報共有を行うことができた。 2022年度は本プロジェクトの3年目に当たり、3年間の実績報告として、2023年3月に、国際日本文化研究センター(以下、日文研)において、中間報告シンポジウム「近代の人・モノ・動植物のグローバル移動と海洋・河川」を実施し、根川、橋本、ガラシーノ(JICA研究所研究員・研究協力者)、リン(ハノイ国家大学准教授・海外研究協力者)が報告を行い、鵜戸、酒井のコメントにより、中間的な成果や問題点を総括し内外に向けて発信した。 また、国際的な研究協力の成果として、2022年7月にキャンパスプラザ京都において、海外研究協力者である堤剛太氏(汎アマゾニア日伯協会副会長)の講演会「アマゾン地方日系社会の現況」(酒井、ガラシーノがコメント)を実施。さらに2023年3月には、海外研究協力者のアストギク・ホワニシャン氏(ロシア・アルメニア大学上級講師)を招聘し、日文研での合同学術セミナー「「旅する」感染症:近代日本におけるトラホームと移住、“Traveling” Contagious Diseases: Trachoma, Migration, and Modern Japan」を開催し、その成果を内外に発信することができた。 以上のような活動によって、南米移民船航海という日本人集団の史上最長の移動における人びとの接触や生活様式・世界観の変化、新旧大陸間の動植物交換の実態と世界市場へのインパクトの見取り図を、海洋や河川を移動する主体からのグローバルな移民史として構築するという、本研究の目的の達成に向け、調査研究を推進している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」でも記したように、コロナ禍の負の影響を受けたにもかかわらず、国内調査、海外の研究協力者を通じた現地調査、デジタル媒体による調査を進め、多くの史資料や情報を獲得、研究分担者・研究協力者間でネットワークを広げつつ、それらを共有することができた。なかでも、稲賀(京都精華大学教授・研究分担者が)がセネガルで調査を実施し、その成果を情報共有できたことは、本プロジェクトの研究領域を広げる上で効果を上げた。 本年度は、これらの研究成果を、中間報告シンポジウム「近代の人・モノ・動植物のグローバル移動と海洋・河川」、堤剛太氏(汎アマゾニア日伯協会副会長)の講演会「アマゾン地方日系社会の現況」、アストギク・ホワニシャン氏(ロシア・アルメニア大学上級講師)を中心とする学術セミナー「「旅する」感染症:近代日本におけるトラホームと移住、“Traveling” Contagious Diseases: Trachoma, Migration, and Modern Japan」などの開催を通じて、内外に発信することができた。 さらに、橋本(大阪大学教授・研究分担者)、酒井(鹿児島大学准教授・同)、ガラシーノ・ファクンド氏(JICA研究所研究員、研究協力者)とは、2023年8月に、ブラジルにおける調査と第14回ブラジル国際日本研究集会においてパネルディスカッションを、2024年3月に、ファン・ハイ・リン氏(ハノイ国家大学准教授)とは、2024年3月に、ベトナムにおける調査と国際シンポジウムを開催する企画について意見交換を行い、国際的な研究協力のネットワーク拡大と成果発信の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染拡大状況の収束を受けて、海外調査や国内調査をさらに拡大し推進する。具体的には、東京都、神奈川県、広島県、奈良県、鹿児島県などでの国内調査に加え、橋本(大阪大学教授・研究分担者)、酒井(鹿児島大学准教授・同)、ガラシーノ・ファクンド氏(JICA研究所研究員、研究協力者)とは、2023年8月のブラジルにおける調査と第14回ブラジル国際日本研究集会でのパネルディスカッション開催の準備を進める。また、ファン・ハイ・リン氏(ハノイ国家大学准教授)とは、2024年3月のベトナムにおける調査と国際シンポジウム開催の企画について意見交換を行い、国際的な研究協力のネットワークの拡大とさらなる成果発信の準備を進める。 加えて、研究代表者である根川が、「越境的時空間及びメディアとしての移民船をめぐる文明史的研究」(基盤研究(C)、17K02043、2017~2020年度)から継承した研究成果と本プロジェクトの中間的な成果を接続し、両者の成果をまとめた書籍の発刊準備を進める。
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Research Products
(29 results)