2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a novel strategy in treatment for intractable chronic dizziness using 3D sound sensory substitution technology
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20H04548
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
和田森 直 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (60303179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 新 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30294060)
野々村 頼子 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (60807022)
大島 伸介 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70632438)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 感覚代行 / PPPD / 足底圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の「めまい症」に包括される持続性知覚性姿勢誘発めまい(Persistent Postural Perceptual Dizziness, PPPD)の有効な治療の一つに前庭リハビリテーションがある。これは前庭代償の促進と体性感覚入力や別の感覚による脳の可塑性を利用した平衡維持を増進する。ここで本来伝達すべき平衡情報の代わりに別の感覚で置き換えることは感覚代行と呼ばれる。本申請では、体の傾きの方向と程度を方位角、角速度や加速度センサで検出し、立体音響として出力する3D音響式平衡感覚代行装置を開発し、傾いた体を正中に戻す3D音響式平衡感覚代行訓練の有効性を確認し、難治性慢性めまいの非薬物治療戦略の構築を目指す。 1)体の傾きの方向と程度を取得する検出系と、2)その平衡情報を中枢神経へ3D音響刺激として代行伝達する伝達系、3)平衡情報を伝達信号に変換および各系を制御する制御系の3つから構成される3D音響式平衡感覚代行装置を試作した。めまい患者には難聴を伴うことも多く、難聴の程度によらず純音聴力、語音明瞭度、周波数選択能、時間分解能の個人差が大きいため、被験者ごとに最適な3D音響刺激となるように調整する機能を実装した。具体的には、被験者ごとに左右の音源定位は両耳間の時間差、強度差と位相差を調整でき、前方の音源定位は300Hz-500Hzおよび3kHz-5kHz、後方の音源定位は800Hz-1600Hzおよび10kHz-12kHz、上方の音源定位は8kHz付近の周波数利得を調整できる。この3D音響式平衡感覚代行装置を用いて、立体音響の方向から自分の体の傾きを立体的に理解し、傾きと逆方向へ体の向きを修正することで体平衡を正しい位置に戻す平衡訓練の準備を始めた。 「めまい日記」による症状の記録と平衡機能状態を同時に視覚的に表示、記録できるスマートフォンアプリ「iめまい日記」を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年、体の傾きの方向と程度を取得するために必要な3軸加速度、角速度、方位角センサを一つにまとめた慣性測定装置(IMU)を搭載したイアホンが市販され、音声の再生だけでなく、運動強度や運動量などの測定に応用されている。試作する3D音響式平衡感覚代行装置は、装置を固定し、傾いた方向からの3D音響刺激を出力するために、イアホンの形容にすることを計画していた。 1)体の傾きの方向と程度を取得する検出系および3)平衡情報を伝達信号に変換および各系を制御する制御系に用いる構成部品が将来に供給されなくなる可能性があるため、新たな構成部品の性能評価に時間を要した。被験者の体の傾きの方向と程度を取得する最適な装置の装着部位を検討するため、2)その平衡情報を中枢神経へ3D音響刺激として代行伝達する伝達系とは別装置として試作した。
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Strategy for Future Research Activity |
中敷き内蔵式動的体平衡測定装置の開発 現在、立位静止姿勢における静的体平衡を測定する目的で重心動揺計がすでに臨床で用いられているが、二等辺三角形平板の頂点における垂直荷重から平板の作用中心点を求めるため、厳密には立位姿勢での作用中心点を検出しているとは言い難い上に、「動的状態」、すなわち歩行や体動時の平衡情報の取得は困難であった。より厳密な作用中心点を求める方法として、足底圧分布から足底圧中心を求める手法があり、センサを靴の表底に取り付ける方法や靴底や中敷きの中に埋め込む方法が報告されている。多くの報告では、ひずみにより導体や半導体の抵抗が変化することを利用したセンサを使用しているが、圧力を無負荷から定格圧力まで加圧した際の出力と定格圧力から無負荷まで減圧した際の出力との差(ヒステリシス)が大きいため、信頼性が損なわれることもある。 近年、微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems; MEMS)技術を応用した小形かつ高精度な圧力センサが市販され、最近の高機能携帯電話に内蔵され、高度推定に用いられている。MEMS圧力センサを用いた足底圧分布測定の報告がなされたが、測定原理からある程度足底と接触する必要があり、また、電源や制御装置は踝に装着を要し、装着時の違和感や煩雑さは治療継続に影響を及ぼす。そこで、MEMS圧力センサ、電源、制御装置を中敷きの中空部分に内蔵した足底圧分布測定を開発する。MEMS圧力センサは横7mm、縦8mm、高3mmと小形であり、足底への体荷重の変化を捉えるのに必要な16箇所を測定するために中敷きに内蔵可能である。試作装置よる作用中心点の推定精度は、重心動揺計の作用中心点と比較することで検証し、歩行時における作用中心点の推定を行い、臨床応用を目指す。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Disability in protracted benign paroxysmal positional vertigo at one month from symptom onset - a questionnaire survey2020
Author(s)
Kabaya K, Kondo M, Naganuma H, Nakamura Y, Mihara T, Umibe A, Sato T, Imai T, Suzuki K, Ishii M, Takei Y, Fushikj H, Kiyomizu K, Goto F, Fukui A, Sakamoto N, Horii A, Nakayama M, Iwasaki S
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Journal Title
J Otol Rhinol.
Volume: 9
Pages: 6
Peer Reviewed
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