2021 Fiscal Year Annual Research Report
Interdisciplinary studies on philosophy of logic: Toward the development of philosophy of proof and demonstration
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21H00467
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 光弘 慶應義塾大学, 文学部(三田), 名誉教授 (30224025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 遼 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (70853422)
峯島 宏次 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (80725739)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 証明の哲学 / 論理の哲学 / 論理哲学 / 論理学 / 証明 / 論証 / 数学の哲学 / 形式論理言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの形式論理言語の証明概念では捉えられない「証明」の「形式」について検討を進めた。日常言語推論、図形-画像推論、概念推論、情報環境の説明可能性論証、意思決定に関わる論証などを手掛かりとした。日常言語による推論・論証の固有な諸問題の調査を進めた。また、日常言語の機械学習(特に深層学習)モデルによる推論とを比較した。これら二つと形式論理言語による推論との相違について調査を開始した。(以上、峯島-岡田)図形や画像などの非言語的視覚的表現が論理的オペレータを表現可能か、調査した。否定を表現することが可能かを峯島らが検討し、成果にまとめた。論理的否定を含む論理定項については、線形論理レベルでの証明論及び証明論的意味論の再精査を岡田が進め、次年度計画の証明論的準備が完成した。形式論理学をベースの「証明」では捉えられない、概念からの推論に着目した研究も進めた。概念からの推論とは、考察の対象となる概念そのものの特性に訴えて成り立つ推論のことである。形式論理学においては、こうした推論は当の概念の内容を規定するある種の「公理」を前提とする演繹として説明されるが、推論を実際に行う場合は、そうした形式論理に訴えることなく、あくまでも概念そのものの性質としてわれわれがある種の推論を「妥当」なものとして認めることがある。一つの方法として、R. Brandomによる「推論主義」の立場に対する批判的検討を行った。特に伊藤が論文の形でまとめた。情報科学の新しい検証問題において、広い意味で概念推論の立場が有効であると考えられる例があり岡田が(アルゴリズムのethical properties検証などの例で)調査を進めた。各種のアルゴリズムの説明可能性検証と証明との関係についても調査した。図的論理表現により意思決定・判断の支援を行う可能性についても図的証明という観点から岡田が検討を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題研究の基礎となる研究を進めることができた。次年度以降の研究の方法論の準備が整った。特に、非言語的論推論、概念推論、情報アルゴリズムの性質に関する論証などの分野の初年度研究が予定通り進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
20世紀型の論理形式言語による証明概念を超える、現代的「形式」「論理」「証明」概念をとらえる研究をさらに進める。論理哲学史、非言語的論理、情報科学・AIとの関連において、これを進める。 本年度は新型ウイルス感染問題などによる国際渡航の制約から、海外協力者たちとの共同作業は主に遠隔方式を用いたが、次年度からは渡航を伴う学術交流も進める。
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Research Products
(13 results)