2021 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀フランス思想におけるハイデガーとベンヤミンの受容史の解明
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21H00481
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
亀井 大輔 立命館大学, 文学部, 教授 (80469098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 智裕 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (00844177)
伊藤 潤一郎 新潟県立大学, 国際地域学部, 講師 (20895651)
西山 雄二 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (30466817)
長澤 麻子 立命館大学, 文学部, 教授 (30611628)
辻 敦子 立命館大学, 文学部, 准教授 (30634232)
横田 祐美子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 助教 (30844170)
宮崎 裕助 専修大学, 文学部, 教授 (40509444)
長坂 真澄 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (40792403)
柿木 伸之 西南学院大学, 国際文化学部, 教授 (60347614)
日暮 雅夫 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70222239)
加國 尚志 立命館大学, 文学部, 教授 (90351311)
青柳 雅文 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (90469099)
郷原 佳以 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (90529687)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | デリダのハイデガー講義 / アメリカ批判理論 / 断絶からの歴史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、この研究に必要な文献資料の収集などをおこなって研究準備を整えるとともに、20世紀の前半から中盤にかけてのハイデガー、ベンヤミンのフランスにおける受容状況についての研究を開始した。その成果を発表する機会として、8月28日にワークショップ「デリダのハイデガー講義を読む」をオンラインで開催した(発表:亀井大輔、加藤恵介、長坂真澄、司会:松田智裕)。ジャック・デリダの1964-1965年度講義『ハイデガー──存在の問いと歴史』について、この講義がフランス思想において果たした意味を探求するものであった。また、9月25日にはシンポジウム「『アメリカ批判理論:新自由主義への応答』を読む」をオンラインで開催し(発表:日暮雅夫、青柳雅文、百木漠)、ベンヤミンも含まれる批判理論の現代の状況について、アメリカを含む世界的な視野から考察した。 12月26日には「柿木伸之『断絶からの歴史──ベンヤミンの歴史哲学』(2021年、月曜社)合評会」をオンラインで開催し(著者:柿木伸之、評者:辻敦子、黒岡佳柾、亀井大輔、司会:加國尚志)、ベンヤミンの歴史哲学についての重要な研究書の内容をめぐって、ハイデガーやデリダとの関係などに焦点を当てて評者の発表と著者の応答をおこなうことで、歴史をめぐるベンヤミンの思考をフランス思想への影響も含めて考察した。 以上に加えて、参加する研究者の活発な研究活動によって、この課題に関する数多くの成果が発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に計画していた2つの会議(ワークショップとシンポジウム)を開催することができ、合評会も実施することができたので、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、フランスにおけるハイデガーの受容に関しては、ダリン・テネフ氏の講演会を開催し、デリダがハイデガーの『存在と時間』から何を受け継いだのかについて考察する。フランスにおけるベンヤミンの受容に関しては、20世紀後半にさまざまに読み解かれてきたベンヤミンのテクスト「翻訳者の使命」の受容史を概観しつつ検討するシンポジウムを開催する予定である。
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