• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Annual Research Report

Junctures of Theatrocracy and Democracy: Interdisciplinary Research on Theatricality and Politica

Research Project

Project/Area Number 21H00483
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

平田 栄一朗  慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (00286600)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 針貝 真理子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00793241)
寺尾 恵仁  北星学園大学, 経済学部, 講師 (30896684)
北川 千香子  慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (40768537)
三宅 舞  獨協大学, 外国語学部, 専任講師 (50896701)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords演劇学 / パフォーマンス / 民主主義
Outline of Annual Research Achievements

演劇と民主主義の関係を演劇学と政治学の立場から考察し、新しい見地を導き出そうとする本研究の2年目に当たり、①演劇学・②政治学・③国際研究という三つの領域において研究を進め、最終年度(2025年度)に成果報告を行うための準備を行なった。三つの領域での研究は次の通りである。
①演劇学の分野では2022年6月、多摩美術大学で開催された演劇学会全国大会で研究代表者と共同研究者の計4名が「新しい民主主義論と演劇」というパネルセッションにて民主主義と演劇の関係について発表を行なった。また研究拠点である慶應義塾大学に8名の演出家や映像作家を招き、本研究の視点から自身の創作活動について話していただき、一般の方々も交えた公開討論会を行なった。
②政治学とのコラボレーションでは2022年12月に政治学者の山本圭氏(立命館大学)を研究拠点に招いて最新の民主主義研究について講演「近年Plebiscitary Democracyと呼ばれているものについて」という題目で報告していただき、それについて政治学と演劇学の双方の視点から議論した。
③2022年9月ハーバード大学のMagda Romanska准教授と北京現代芸術基金会長のCui Qiao氏が中心となって"Future Stage Manifest Asia"というオンライン・パネルセッションを開催し、コロナ禍での東アジア諸国の演劇事情について議論したが、このパネルセッションに研究代表者が参加して、日本演劇界の事情について話をした。また2023年2月にボーフム大学演劇学科上級教員のKai van Eikels氏を研究拠点に招き、現代ヨーロッパ演劇に見られる、開かれた政治的文化の発展の可能性について講演していただいた。
これらの一連の実績によって、演劇と民主主義の関係について昨年度以上に新しい見地を得ることができたと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

民主主義と演劇の関係を探究する本研究は3つの領域(①演劇学、②政治学、③国際研究)を中心に行なうことを目標として始まった。研究実績報告に記した内容に確認されるように、2022年度は3つの領域の全てにおいて研究を進めることができたので、目標に沿って研究ができたと考えている。
2022年6月、昨年度(2021年度)の研究成果の有効性を確認するため、本研究メンバーのうち4名が日本演劇学会の全国大会で「新しい民主主義論と演劇」というパネルセッションを組み、昨年度の成果報告を行なった。このパネルセッションでは、プラトンの民主主義と演劇論や、アメリカの思想家サミュウェル・ウェーバーらの演劇ー民主主義論ないしは演劇ー政治論を紹介し、これらの民主主義論が演劇とどのように関係するかについて演劇学の専門家に説明し議論を行なった。この議論を通じて両者の関係の理解が本研究メンバーにおいてさらに深まったと考えている。
政治学の専門家との共同研究では、2022年12月本研究の拠点である慶應義塾において、政治学の専門家に講演を行なっていただき、新しい民主主義論の理解を深めるとともに、本研究に協力していただいている政治学の専門家たちと今後の研究について相談することができた。
国際研究ではハーバード大学とボーフム大学の研究者とのコラボレーションを行い、演劇と政治や演劇と民主主義について現在の政治的・文化的情勢を踏まえて議論した。
今年度(2022年度)の研究成果を確認するために、2023年6月に開催予定のドイツ学会大会において成果発表(発表はフォーラム形式)を行う準備を進めた。2023年2月に発表の申し込みを行なったところ、申請が認められた。これを踏まえて2023年3月に発表予定者が発表の具体的な準備を行なった。以上の研究活動を踏まえると、本研究はおおむね順調に進んでいると考えている。

Strategy for Future Research Activity

合計4年間を予定している本研究は来年度(2023年度)に3年目を迎えるに当たり、最終年度(2024年度)の成果報告を論文集にすることの準備を本格的に進める。この論文集には本研究メンバーと政治学者が寄稿する予定であるが、執筆者とテーマを確定できるようにする。そのために研究代表者は2023年夏に論文集の序章に当たる文章を執筆し、演劇と民主主義の関係について指針となる考え方を執筆予定者に提示する。論文執筆予定者はこの序章を踏まえて、各自の研究テーマをより具体化する。
より開かれた民主主義の一例として、LGBTQなどの多様な人々がより生きやすようにする社会が挙げられるが、このことを間接的なテーマとする舞台作品や映像作品が日本でも創られており、このテーマに関する研究を芸術家とのコラボレーション形式で進める。
一方、本研究の成果を中間報告として発表し、現在得られた見地が妥当であるかを専門家に問う機会を設ける予定である。2023年6月に開催予定のドイツ学会大会において研究代表者と共同研究者の計3名が「演劇と民主主義」という題目でフォーラム発表を行う予定である。ドイツ学会には歴史学、政治学などを専門とする方々が一定数おり、演劇研究者から成る本研究メンバーにとって、ドイツ学会でのフォーラム発表は異なる専門家から貴重なアドヴァイスをうかがえる機会となる。
2023年秋には政治学の専門家を研究拠点である慶應義塾大学に招き、講演ないしはシンポジウムの形式で新しい民主主義論について議論する予定である。この講演ないしシンポジウムは本研究の最終年度(2024年度)に作成する成果本に反映される予定である。
国外との共同研究においては、本研究の1年目から提携しているボーフム大学の研究者を2023年9月に研究拠点に招き、講演形式で発表していただく予定である。

  • Research Products

    (14 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (3 results) (of which Open Access: 2 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (7 results) Book (2 results) Funded Workshop (1 results)

  • [Int'l Joint Research] Ruhr University Bochum(ドイツ)

    • Country Name
      GERMANY
    • Counterpart Institution
      Ruhr University Bochum
  • [Journal Article] 差異によって共にあること ――ルネ・ポレシュの喜劇『コロス,ひどく道を誤る』に現れる身体的齟齬2023

    • Author(s)
      針貝 真理子
    • Journal Title

      日吉紀要

      Volume: 63 Pages: 33-39

    • Open Access
  • [Journal Article] 代議制民主主義の感性的「技術」:クリストフ・マルターラー『ゼロ時あるいは奉仕の技術』における潜在的反省の集合体2023

    • Author(s)
      針貝 真理子
    • Journal Title

      ドイツ研究

      Volume: 57 Pages: 33-39

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 血を流しながら生きる:ヌーラン・ダヴィッド・カーリス作・演出『メルン92/22』を中心に2023

    • Author(s)
      寺尾 恵仁
    • Journal Title

      悲劇喜劇

      Volume: 821 Pages: 38-39

  • [Presentation] 新しい民主主義論と演劇2022

    • Author(s)
      平田 栄一朗
    • Organizer
      日本演劇学会
  • [Presentation] 仮象の遊戯がひらく他自律: 田中奈緒子『影の三部作』に見えるプラトンの「洞窟の比喩」批判2022

    • Author(s)
      針貝 真理子
    • Organizer
      日本演劇学会
  • [Presentation] 代議制民主主義の感性的「技術」:クリストフ・マルターラー『ゼロ時あるいは奉仕の技術』における笑いと歌の共同体2022

    • Author(s)
      針貝 真理子
    • Organizer
      日本ドイツ学会
  • [Presentation] 演者と観衆のあいだ:承認のあり方から見るシアトロクラシーの可能性2022

    • Author(s)
      寺尾 恵仁
    • Organizer
      日本演劇学会
  • [Presentation] 代表関係から見るシアトロクラシーの可能性:ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆』を中心に2022

    • Author(s)
      寺尾 恵仁
    • Organizer
      北海道ドイツ文学会
  • [Presentation] 「ネガティブなもの」に開かれた演劇:映画『ザ・スクエア』に見るパフォーマンス受容への視座2022

    • Author(s)
      三宅 舞
    • Organizer
      日本演劇学会
  • [Presentation] 『Stunde Null』の現実化―バイロイトの場合2022

    • Author(s)
      北川 千香子
    • Organizer
      日本ドイツ学会
  • [Book] 縄田雄二編『モノと媒体の人文学: 現代ドイツの文化学』 分担執筆現代演劇と〈声〉の文化 ― 言語と身体、在と不在のあいだ2022

    • Author(s)
      針貝 真理子
    • Total Pages
      267
    • Publisher
      岩波書店
  • [Book] Wolf-Dieter Ernst他編『Forum Modernes Theater: Spielraeume professionellen Schauspielens』2022

    • Author(s)
      寺尾 恵仁
    • Total Pages
      239
    • Publisher
      Narr Francke Attempto
  • [Funded Workshop] International Discussion: Zeit fuer das Politische: Serienformate in den Live Arts und die Befreiung der Gegenwart2023

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi