2021 Fiscal Year Annual Research Report
Revisioning Japanese Postwar Theatre History: Oral History Approaches
Project/Area Number |
21H00484
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
日比野 啓 成蹊大学, 文学部, 教授 (40302830)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 竜一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10277783)
神山 彰 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (20287882)
井上 優 明治大学, 文学部, 専任教授 (20406797)
中野 正昭 明治大学, 文学部, 兼任講師 (40409727)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 聞き書き / 商業演劇 / アングラ・小劇場演劇 / 日本近代演劇史 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍のため、高齢の演劇人への聞き書きは予定通り進まなかった。以下の3名(うち、神山は科研分担者)の演劇関係者にのみ取材を行った。 三條三輪(劇作家・演出家・俳優)、山川三太(劇作家・演出家)、神山彰(演劇研究者) このうち、三條氏の聞き書きのみ再構成・編集を経て、日本近代演劇デジタル・オーラル・ヒストリー・アーカイヴ(https://oraltheatrehistory.org)で公開を行った。下村正夫・色川大吉らの新演劇研究所や、その後三条氏らが設立した芸術劇場など、あまり史料が残されていない劇団についての貴重な情報が得られた。山川氏・神山氏の聞き書きについては、鋭意編集・再構成を行なっている最中である。また、一般ユーザから寄せられた意見をもとに、このウェブサイトのユーザインターフェイスの改善も今年度実施した。 その一方で、これまでの聞き書き取材で得られた知見をもとに各自が(神山彰編『演劇とメディアの20世紀』への執筆・編集をはじめとする)書籍・論文執筆および学会発表を活発に行った。これらの研究を通じて、1970年代までは商業演劇が、1980年代以降はアングラ・小劇場演劇が、各ジャンルへの人材の供給源=ハブとなり、ジャンルごとにまとまり、それぞれ独自の美学や感性を発達させてきたと思われてきた日本近代演劇において人材交流が盛んであったし、またその人材交流によって、日本近代演劇に共通する美学や感性が醸成されてきた、という私たちの仮説の妥当性をある程度証明することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、高齢の演劇人への聞き書き取材が予定通り進んでいない。今年度は、複数の方に打診の際にお断りされ、取材日時まで決まっていた一名の方は、新型コロナ感染症に罹患して直前で中止になったため、3名のみ実施できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍のため、高齢の演劇人への聞き書きそのものはなかなか進展しないと思われる。これまで同様、各自がこれまでの聞き書きで得られた知見をもとに書籍・論文執筆および学会発表を活発に行うことがまず重要である。次に、2014-2017年度に実施した科学研究費・基盤研究(B):「日本近代演劇デジタル・オーラル・ヒストリー・アーカイヴ」(研究代表者:日比野啓)で実施した取材のうち、その後編集・再構成のための時間と経費が捻出できず未公開のままになっていた約10名の聞き書きの編集・再構成を行い、公開することにする。
|
Research Products
(2 results)