2021 Fiscal Year Annual Research Report
音響解析を用いた金属製打楽器の変遷 -「うなり」の文化としての東洋音楽史-
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21H00485
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
塩川 博義 日本大学, 生産工学部, 教授 (50187324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 正太 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (70270494)
梅田 英春 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (40316203)
土田 義郎 金沢工業大学, 建築学部, 教授 (20227424)
豊谷 純 日本大学, 生産工学部, 教授 (70459866)
中川 一人 日本大学, 生産工学部, 講師 (90523986)
柳沢 英輔 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任助教 (00637134)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 双盤 / 風鈴 / ゴング / ベトナム中央高原に住む少数民族 / インドネシア・バリ島 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、東アジアや東南アジアの国々に赴いてゴングの調査研究を行う予定であったが、コロナ禍の影響で海外への渡航が難しかったため、国内で風鈴や双盤、そして、半鐘など日本の金属製打楽器を中心に音響測定を行った。 風鈴に関しては鉄製の南部風鈴を含めた3種類について日本サウンドスケープ協会研究発表会で発表した。 8月には遠州大念仏で使われる1.6尺の双盤を音響測定し、演奏者にインタビュー調査を行った。また、1.1尺の双盤を製作して、音響測定を行った。今後、3Dスキャンしてモデリングを行い、音響シミュレーション解析を行う予定である。 そして、国内にある東アジアや東南アジアにある銅鑼や半鐘、鉦鼓などの金属成分分析を行った。特に、国内にあるベトナム中央高原に住む数民族が所有するゴングセットの金属成分は青銅と考えられていたが、実際測定した結果、15枚のゴングすべて黄銅(真鍮)でできていることがわかり、新たな発見が得られた。これらの結果をまとめて、現在、研究報告Aの論文(資料)に投稿中である。 さらに、インドネシア・バリ島の銅鑼(ゴング)を有限要素法で音響シミュレーション解析した結果、振動モードがゴング表面だけでなく、側面にも現れていることがわかり、「うなり」に影響を与えていることが明らかになった。今後、さらにいろいろな国の銅鑼を調べて、形状と比較検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、東アジアや東南アジアの国々に赴いてゴングの調査研究を行う予定であったが、コロナ禍の影響で海外への渡航が難しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度も海外渡航ができるかどうか不確かなので、日本にある金属製打楽器を中心に調査研究を行う。 まず、前述した令和3年度に製作した1.1尺の双盤を3Dスキャンしてモデリングを行い、音響シミュレーション解析を行う予定である。さらに、遠州大念仏で使われる大きな1.5尺の双盤も製作して、同様な音響測定及び解析を行う予定である。 また、半鐘や梵鐘もいくつか同様な音響測定及び解析を行う予定である。 さらに、風鈴も、明珍火鉢や佐波理でできた小田原風鈴なども購入して、音響測定及び解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)