2021 Fiscal Year Annual Research Report
Romantic Regeneration, Healing, and Greencare: The Development and Modernity of Transatlantic Ecology
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21H00512
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
成田 雅彦 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00245953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植月 恵一郎 日本大学, 芸術学部, 研究員 (10213373)
川津 雅江 名古屋経済大学, 法学部, 名誉教授 (30278387)
吉川 朗子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (60316031)
塩田 弘 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80389387)
金津 和美 同志社大学, 文学部, 教授 (90367962)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 英米ロマン主義 / グリーンケア / 環大西洋エコロジー / 人新世 / 環境災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の2021年度は、本研究の基盤を置くことに重きを置いた。 1. 2021年度は、三つのサブテーマのうち【サブテーマ 1】 環境災害とグリーンケアと【サブテーマ 2】 癒しの「語り」に焦点を当てた。コロナ禍で海外渡航が困難な中、国内でできる限りの関連資料を収集するとともに考察を進め、研究成果の一部をオンラインによる学会発表や論文などで公表した。 2.年2回の公開研究会をすべてオンラインで開催した。2021年9月18日に開催した第1回研究会は「パンデミックの世界と文学のことば」と題し、科研メンバーによる発表「ロックダウン/詩/自然」(吉川朗子)、「ポー、パンデミック、〈死に至る病〉」(伊藤詔子)と外部講師による講演会「パンデミックの(非)想像力―記憶と記録と文学と、そしてヘミングウェイ」(専修大学教授:石塚久郎)が行われた。第2回研究会は「災害・人間・ことばと映像の表現」というタイトルで2022年3月18日に開催し、映像作家、舩橋淳氏による講演「歴史に残る傷と無意識の表象について」のあと、舩橋氏と科研メンバー全員による集中した議論が行われた。両研究会とも外部から多くの参加者を得て、非常に有益な学びの機会となり、環境災害やパンデミック、疾病と文学に関係する様々な研究上の示唆を与えられるとともに、文学以外の芸術分野である映画の世界についても討論をする機会を得られたことは大きな成果であった。また、研究者を含む一般の聴衆に対しても啓発的な活動を行うことができた。 3. ホームページを開設し、本科研の目的や研究メンバーを公開するとともに、研究会の告知を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で、メンバー同士の知見の共有や意思疎通がZoomやメールに限られていたため、研究初年度としての研究体制の確立が十分になされたとは言い難い。また、コロナの影響で海外渡航が困難であったため、研究を推進するのに十分な資料収集ができたとは言い難い。以上の理由で、研究の進捗状況は「やや遅れている」と評価する。しかし、そうした制限の中でもメンバー各人が、これまでの共同研究や個人研究の成果と課題を踏まえた上で研究を進め、一定の成果を挙げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、初年度の研究成果を基にして、独創的な視点で資料・作品の分析と考察をさらに進め、人新世、またグリーンケアと癒しと文学研究の嚆矢となるべくその体系化を目指す。 令和4年度は、初年度の研究成果を継承発展させ、各自個人研究を推進しつつ、研究成果の一部を国内外の学会で発表するとともに、主要学術雑誌や紀要に随時公表する。また、9月に人新世と文学を専門とする外部講師による講演会と研究会、令和5年3月にアメリカン・ルネサンス主義文学関係の外部講師による講演会と研究会を開催する。 最終年度は、これまでの研究成果を整理・統合するとともに、各自研究論文を作成する。相互レヴューを経て修正後、報告書を完成する予定である。同時に学術書刊行の準備にとりかかりたい。
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